鏡の中の私
子供のころの私
あれは私が何歳くらいの頃だろう
たぶん小学校高学年になるくらいのとき
私の心の逃げ場所は鏡の中だった
鏡の中には「私」がいた
私はいつも鏡の中の「私」に話しかける
楽しかったことも
辛かったことも
嬉しかったことも
苦しかったことも
彼女はいつも聞いてくれた
私のくだらない話を
そして必ず言葉を返してくれた
楽しかったことを伝えれば『よかったね』と
辛かったことを伝えれば『大変だったね』と
私を励まし、ときには同調し
アドバイスまでしてくれていた
彼女はとても強い女性で
私がいじめられてることを伝えたときは
『やり返しちゃえ』的なことを言ってきた
内容はとても恐ろしいもので
もちろん実行することはなかったが
それでも、そこまで言ってくれる彼女を
とても頼もしく思えたものだった
『そんなやつらに負けるな』
そうやって最後には励ましてくれた
親との関係に距離を感じて孤独感にいっぱいになっている私に
『諦めよう、私がいつも一緒にいるから』
そんなふうに言ってくれた記憶がある
私の一番の理解者であり
私そのものであった彼女は
いつ、私から離れていってしまったんだろう
今、鏡の中を覗いても彼女はいない
とても不思議なことだが
私が日常を過ごしている「私」は
とても彼女に似ている
もしかすると
彼女が私になったのではないかと思っている
彼女から学び
彼女に憧れ
強い女性になることを望み
そんな「私」を私は作り上げられたのだろう
そう
鏡の中の彼女は
私と共にいる
そんな妄想を子供の頃から
今に至るまで変わらずに
持ち続けている私は
やはり病気なのだろうか
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写真お借りしました♡︎
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