睡眠薬による解放
「睡眠薬」
この病気に関わらず、睡眠薬を服用している人は多いと思う
「睡眠障害」は今のストレス社会では
きっと珍しくはないのだろう
初めての「睡眠薬」は10代のとき
外科手術の前日
『眠れないといけないから』
という理由で渡され
何も考えずに飲んだ
次の日の朝、目が覚めるという感覚がないまま手術に臨んだ
相当強い種類のものだったのだろうか
初めて飲んだからそうなったのか
それとも手術に向かう恐怖を感じさせないための配慮だったのか
とにかく、「睡眠薬」は起きれない
私の中にそうインプットされた
「双極性障害」と診断され
何日も寝られないで過ごしていたら
「睡眠薬」を処方された
手術前日の記憶があったので戸惑いはあったが、辛さを和らげるために受け入れた
できるだけ長く効かないものをとお願いして
毎日服用した
あれだけ眠ることに意識がいかなかった私が自ら布団に入れるようになって
数時間だけでも眠れる様になった
睡眠薬を飲んだら30分以内に布団に入る
そう決めていた
眠くて足元をふらつかせて階段でも踏み外したら大変だと思ったから
それでも慣れてくると、寝るギリギリのところが分かるようになって
そのギリギリまでをリビングで過ごすことも多かった
あるとき
友人とSkypeで話していた時
『薬飲み忘れるから飲みな』と言ってくれたので
飲んでからバイバイして2階に上がるということをした
薬の飲み忘れもなく、とてもいい方法!
なんて思っていたのだが
薬を飲んでからバイバイすることが急に寂しく思えてしまった時があって
飲んだにも関わらず、バイバイを引き延ばしていた
そこからはかなり記憶が曖昧
時折寝そうになってるところを呼ばれて
『もう布団に行きな』と言われてる記憶
『大丈夫!大丈夫!』と私
曖昧な記憶を埋めるため
あとから詳細を聞き出したらこうだ
急に饒舌になり
1人で話しまくる
突然笑い出す
かと思えば急に泣き出す
『ちょっと待ってね』
と言って戻ってきたらお菓子を食べ始める
なくなれば次
またなくなれば次
『もう終わりにしたら?』
という言葉にも
『大丈夫!大丈夫!』
ひとしきり楽しそうに話して
お菓子をたいらげ
そのまま床に倒れて寝たらしい
何度も声はかけてくれたが
私が動く様子もなかったので、その時は切ったと
翌朝、心配して電話をくれた
ただ、ただ
心配をかけてしまったことが申し訳なく
『もうしない!気をつける!』
そう言った私だったが
それからも何度も繰り返してしまった
ほのかに残るその時の記憶
その時の「私」は
とても楽しくて
とても解放的で
すごく幸せな気持ちでいられたから
それをどうしても味わいたくなっていた
たとえ、そのまま床で寝ることになったとしても
その幸福感を求めてしまっていたんだ
その人とSkypeすることはもうないが
それでもたまに私はその「時」を楽しんでしまう
睡眠薬での「覚醒」
私はそれを
睡眠薬による「解放」だと思っている
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イラストお借りしました♡︎
ありがとうございます(ㅅ´ ˘ `)☆*。