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「簡単なことは、分かりやすく。」
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音楽をテーマにした読み物、アニメや映画などの影響で、大人からのヴァイオリンを始められる方が増えてきました。
お仕事や家事をこなし、貴重な時間を捻出されて、楽器に取り組んでおられる事、素晴らしいです。
時間が何より貴重だと分かっておられるからこそ、そのお勉強の道のりで、回り道は少なくして欲しい。そんな思いで今回は、基礎練習で必ず取り組む音階についてお話させてくださいね。
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さて。もし、あなたが『ハ長調』から音階練習を始めるのであれば、(私は、あなたに楽をして欲しいので、)可能なら『ニ長調』からがオススメなのです。
では、まずは『ハ長調から音階練習を始める』ということに、私がずっと抱いている素朴な疑問から。
話しが、長くなるので、先に結論を言いますね。
結論:
「ヴァイオリンの音階練習は、ハ長調からではなく、ニ長調から始める方が合理的で、かつ楽だと思います。』
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例えば、ヴァイオリンを奏でられるあなたが、ヴァイオリンの展示即売会などの会場で、これはというバヨ子と、一目惚れの恋に落ちたとする。
こっちに関心を持ってもらうがために、
あなたは、バヨ子ちゃんに語りかける。
だけど、そこは展示即売会の会場なので、
衆人の目前で、それこそシェークスピアの時代、深窓の令嬢の気を惹くため、Serenade(セレナーデ)の一節も転がさねばならぬ。
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いやいや、これって、ひょっとすると
『ヴァイオリンの発表会』の舞台の上よりも
緊張するシーンかも。
あなたとバヨ子に集まる視線の中には、
相当に弾ける(イケる)プロのヴァイオリン弾きからの熱い眼差しも、感じることでしょう。
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あなたの頭の中は、ブラックアウト、いや真っ白で、レパートリーも、すっかり忘れてしまって、
「仕方ない。ここは音階でも弾くしかない」って、状況に追い込まれる。
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だが、ここで問題が発生!
教則本の初歩の初歩、最初の課題で出てくる『ハ長調』や『ト長調』をウッカリ弾いて、「もし、音を外したら」、みんなの笑いものだ、
いや待て。場の雰囲気からして”冷笑”で済まない。(これは、一発レッドで「速攻で退場」だ。)
気持ちの悪い汗を内心で流しつつ、あなたが弾く音階は、ヴァイオリンが鳴りやすく、しかも、左手の指の位置が揃って、とても弾きやすい『ニ長調』に落ち着く。
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私が、気にしているのは、ヴァイオリンが響きやすくて、なおかつ運指がやさしい『ニ長調』から、スタートする教則本が日本には少ないことなのです。(※参照:教本ごとの音階練習)
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ヴァイオリンという楽器。
楽器をちゃんと構えて、右手できちんと弓をホールドすることで、最初は精いっぱい。
なのに、なんでまた、『ハ長調』や『ト長調』という、左手の指の位置がちょこっと難しい調性から、始めようとするのだろう。
そもそも、楽器の調絃が『G、D、A、E』で、五度音程なのだから、ここは『ニ長調』、一歩譲って『イ長調』で始めるのが、どう考えてみても、”楽”だと思いませんか?
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これは、もしかしたら、
”『楽譜が読めない』という前提で、
『調性記号(♯、♭)』が五線譜に付かないor一つの『ハ長調』、『ト長調』から始める方が取り付きやすい”から…
その調性から始めようという説だと、私は類推しました。
でも、小さな子ども達や、『大人からのヴァイオリン』の両者に共通することなのだけど、
「音階練習で楽譜を読む」という目的だけなら、反復練習で、体に道具としてのヴァイオリンの使い方を慣れさせるように、
『楽譜も、繰り返し見てゆく中で、
見慣れて、読めるようになるはず。』
ですよね。
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まさか、ヴァイオリンで簡単な曲を
弾けるようになった段階で、
弾きたい音の在りかを探るために、
「五線譜のト音記号の位置がG(ソ)の音」で…
なんて、指折りながら数えている方、いらっしゃるのでしょうか。
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ひとえに、教本(編纂された先達)サマの”仰せの通り”を丸呑みして、後輩の私たちが、
”それ以上のことを考えない”のが、原因ではないかしら。
『難しいことは、できるだけ簡単に。
簡単なことを、より分かりやすくしよう』という努力を怠らないようにしないと、ダメだなって…。
私も、この記事を書きながら振り返っています。
(今回の記事、とっても長かったのに、
あなたは、読んでくださいましたね。
ありがとうございます。ウレシイです。)
それでは、また。
(えみり)
※参照:教本ごとの音階練習
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1)シノハラ教本1巻:
ハ長調→イ短調→ヘ長調→ニ短調→変ロ長調→ト短調
2)スズキ教本1巻2巻:
ト長調→ニ短調→変ロ長調→イ短調→イ長調
3)小野アンナ音階教本:
ト長調→ホ短調→ニ長調→ロ短調→イ長調
→嬰ヘ短調→ホ長調→嬰ハ短調
そして、♭のついたヘ長調などの調性。
さらに、ハ長調→イ短調→ヘ長調→ニ短調
→変ロ長調→ト短調→変ホ短調→ハ短調。
This is the bottom.
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