マガジンのカバー画像

確定申告あれこれ

21
主に2016年(2015年度分)の確定申告に向けて、初歩的なことをまとめていきます。
¥300
運営しているクリエイター

2016年2月の記事一覧

【第9回】所得控除(その2)

【第8回】所得控除(その1)で、会社員が年末調整では
控除されない所得控除について説明しました。
今回は、それ以外の控除について説明します。

【保険料関連の控除】(1)社会保険料控除
国民健康保険や国民年金などの社会保険料を支払った時の控除。
支払った全額が控除される。

(2)小規模企業共済等掛金控除
指定された共済制度や、確定拠出年金(個人型)の掛金を支払った時の控除。
支払った全額が控除さ

もっとみる

【第10回】損益通算

総合課税の各種所得については、基本的には合計して計算しますが、
一部の所得については、損失がある場合に、一定の順序で他の黒字の
各種所得の金額と損益通算を行うことができます。

(1)損益通算できる所得
・不動産所得(土地等の取得に要した借入金利子にあたる分は対象外)
・事業所得
・山林所得
・譲渡所得(生活に通常必要でないものの譲渡についてのものは対象外)

上記4種類の所得に赤字がある場合、他

もっとみる

【第11回】所得税の税率と税額の計算方法

税額の計算方法は、課税所得金額ごとに規定され、
課税所得金額の種類により計算方法が異なります。

(1)総合課税分
課税総所得金額×以下税率(5%~45%の7段階)-控除額

(課税総所得金額)195万円以下 → 5% 控除額0円
195万円超330万円以下 → 10% 控除額9.75万円
330万円超695万円以下 → 20% 控除額42.75万円
695万円超900万円以下 → 23% 控除額

もっとみる

【第12回】税額控除

「【第8回】所得控除(その1)」「【第9回】所得控除(その2)」で、
所得金額から差し引く「所得控除」について説明しましたが、
今回は所得税の金額を計算した後、税額から直接差し引く
「税額控除」について説明致します。

(1)配当控除
総合課税の配当所得がある場合に、受けられる控除です。
申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得については適用されません。

(控除額)総所得金額が1,000万

もっとみる

【第13回】青色申告特別控除

不動産所得、事業所得、山林所得のある人が納税地の所轄税務署長の
承認を受けて行うことのできる制度である青色申告は、
納税者に記帳習慣を確立させて正しい申告を行わせるのを目的としています。

青色申告特別控除とは、青色申告の承認を受けた人が受けられる控除で、
所定の帳簿を備え付け取引を記録してきた見返りとしての控除となり、
「65万円の青色申告特別控除」「10万円の青色申告特別控除」2種類です。

もっとみる

【第14回】還付申告は1月からできる!

第14回にして、ようやく申告の話に入れました(笑)。
確定申告とは、「【第1回】確定申告ってなに?」でも触れたとおり、
「稼ぎに対していくら税金がかかるか」を確定し、申告する手続きです。

この手続きのための確定申告は、毎年確定申告をされている方は
特に意識せずされている方も多いかもしれません(私もそうでした)が、
実は3種類あります。

(1)確定所得申告
所得があり、所得税の額が控除の額を超え

もっとみる

【第15回】会社員の確定申告

会社員の場合、基本的には源泉徴収や年末調整で所得税を納めており、
会社の給与以外の収入がなければ確定申告は不要な場合がほとんどですが、
会社員であっても確定申告が必要なケースや
確定申告をするとお得なケースがあります。

今回は、それらの主なケースについて説明致します。

(1)確定申告が必要なケース
以下の条件に該当する場合は、確定申告が必要になります。

・年間の給与収入金額が2,000万円を

もっとみる

【第16回】確定申告書の提出方法

確定申告をする際、申告書の提出方法が3つあります。
今回はその3つの提出方法について説明致します。

(1)税務署の窓口に持参して提出する
税務署が開庁している日時に申告書を持参して提出する方法です。
あらかじめ申告書を作成し、それを持参して提出することも、
税務署の相談窓口で署員さんに相談しながら作成、提出することも可能です。

この方法は、税務署が開庁している平日の昼間に出向かなければならず、

もっとみる

【第17回】申告後の納税・還付の方法

確定申告が完了し、税額に過不足があって納税または還付となる場合に、
その納税・還付の方法がいくつかありますので、説明致します。

【納税の方法】
(1)納付書による現金での納税
・所轄の税務署
・コンビニ
・金融機関

に、現金で納付する方法です。
納付期限は2016年は3月15日です。

(2)振替納税による口座引き落とし
指定した口座から納税額が引き落とされる方法です。
事前の手続きは口座振替

もっとみる

【第18回】油断しないで、住民税!

確定申告で申告書を提出して所得税の税額を確定し、
過不足があれば還付や納税を行い、所得税については完了です。
所得税については…です。

この書き方、まだ何かありそうに感じますよね。
そう、あるんです!住民税です。

住民税は「前年課税」という仕組みを採用しており、
前の年の所得をもとに税額が計算されます。
その所得を確定するのは確定申告なんですが、
確定申告で確定した所得をもとに税額が計算され、

もっとみる

【第19回】住民税の種類

実は、「【第17回】申告後の納税・還付の方法」まで作成し、
所得税の確定申告に関する内容としてはひと区切りついたと考えて
このシリーズもひと区切りつけようかと考えていました。

前回「【第18回】油断しないで、住民税!」を作成したら、
住民税についてももう少し書いておく必要があると感じたので、続けます。

今回は、住民税の種類について説明致します。
4種類あります。

(1)均等割
非課税となる金

もっとみる

【第20回】住民税の所得控除

「【第8回】所得控除(その1)」「【第9回】所得控除(その2)」で
所得税の所得控除について説明しましたが、住民税にも所得控除があります。

ここでは、所得税の所得控除と取り扱いの異なるものについて説明します。

【保険料関連の控除】(1)生命保険料控除
生命保険、個人年金保険、介護医療保険の保険料を支払った時の控除。
所得税同様、2011年12月31日までの保険契約と
2012年1月1日以降の保

もっとみる

【第21回】住民税の税額控除

「【第12回】税額控除」で所得税の税額控除について説明しました。
住民税にも税額控除があるので、今回説明致します。

(1)調整控除
配偶者控除、扶養控除、基礎控除について、
所得税と住民税の間に控除額の差が生じたため、
その差による負担増を調整する目的の控除です。

(個人住民税の課税所得金額が200万円以下の場合)
・所得税との人的控除額の差の合計
・住民税の課税所得金額
のいずれかのうち、少

もっとみる