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歳を重ねたお洒落の楽しみ方


なんだかんだで数年前からクローゼットの一軍のお洋服たちは変わらない。


それらは自分らしいお洒落を求めて、当時にしては背伸びしたお値段だったけれども、びびっと可愛いというアンテナが働いたものたちばかり。


ちょっと個性が溢れすぎたり繊細なものたちは、着るためには勇気のいるものもあるけれども、私の感性がよいというものだから、ずっと大切に置いている。

そして、気が向いたときに身に付けては、「やっぱり可愛いなぁ」と心を踊らせる。


20歳のとき「普段着ない色のお洋服が欲しい」と行きつけのvintage shopで購入した真っ赤なワンピース。普段着ない色であるものの、派手過ぎず、ちょっとカントリーな感じもするこのワンピースは当時のいちばんのお気に入りのお洋服で、写真にもよく残っている。

そのときのヘアスタイルは、まとめるなら編みおろしかお団子、おろすならくりくりに巻く、という可愛らしい印象でまとめていた。

可愛い印象のお洋服だから、可愛くする。

というのが私の持論だったように思う。

当時撮ったお洋服がわかる写真があまりなかった
友人たちとの間で被写体的なこともしてたなぁ

5年ほど経った今でも、ちょっと気合いを入れたいときはこのお洋服を着ている。ちなみに、ヘアスタイルはストレートで巻くなら毛先ワンカールにとどめている。

あのときも今もロングヘアというのは変わらないのだけど、全体は可愛い系に振らないようになっていた。


月日が流れたことで、知らず知らずのうちに自己表現は「可愛い」だけじゃないと知ったようだ。



好みは多少なりとも変化する。
洗濯のときに気にせず、がしがし洗えるような素材でカジュアルやカントリーなキュートなものから、いつ着るの?と迷ってしまうようなかっこいいい印象や上品な印象のものに惹かれるようになった。

それでも、今の気分じゃないからといって手放すのではなく、歳を重ねたから当時は似合わなかった合わせ方がしっくりきたり、新たな着こなしからそのお洋服の魅力を再確認したりすることだってあることに気づいた。

もちろん、昔集めたものたちが気に入っているのも大いにある。

結局、古着、特にvintageと呼ばれる年代物のものたちは私にとって普遍的な「可愛い」の対象である。

だからといって、現代的なお洋服やファストファッションを否定するものでもない。むしろ、今の私はvintageと現代のお洋服を合わせることが気分だ。

できるだけ長く愛せるものを選びながらも、そのときの自分の魅力を引き出すようなものに挑戦していきたい。



「歳を重ねる=老いる」とマイナスイメージをもたれがちだ。

だけど、歳を重ねることで自身がブラッシュアップされている感覚があって、ここ数年は歳を重ねることが楽しみになっている。

そのとき、そのときで、一番魅力的に表現できるように。

お洒落というものはそんな風な位置付けでいたいなと思う。

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陽|haru
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