書評に誘われ広がる世界
Junkoさんが図書新聞の書評で紹介されていた『レストラン「ドイツ亭」』を読んだ。いつもながらすばらしい書評で、すぐに本屋に探しに行った。手にとったとたんこれは「読まなければならない本」だと直感した(ちょうど『夜と霧』(みずず書房)を読んだあとだったということもきっとある)。
舞台は1963年のフランクフルト。主人公はごく普通の家庭に育った24歳のエーファ。家族は、レストラン「ドイツ亭」を営む父と母、そして看護師の姉。ポーランド語ができることからアウシュヴィッツ裁判で強制収