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再認識

『中国・アメリカ 謎SF』。白水社のHPの新刊紹介のページで題名を見ただけで絶対に読みたいと思った。柴田元幸さんと小島敬太さんが翻訳を担当したと分かり、なにがなんでも発売日に買おうと決めた。読んでからだいぶ日にちが経ってしまったけれど、やはり書き記しておきたい。

収録されている7篇はどれも独特なのに、なんとなく共通するところもあり、おもしろかった。

とくに印象に残ったのは1篇目の『マーおばさん』。とにかくすごい。知識と想像力にユーモアをちりばめながら、「生命」とは何かという普遍的な問いに辿り着く。その答えが少し見えた気もするが、結局、またその神秘の深みにはまっていく不安と心地よさが漂う。

3篇目の『焼肉プラネット』は、笑えるのに笑えない、近い未来に起こりそうなリアルな描写に引き込まれる。

猫を主人公にした最後の短篇は、ほっこりしつつも、壮大な深淵をのぞきこんだ感覚になった。

きたしまたくやさんの絵は、「謎」な世界観を十二分に表現されていて、とても惹かれた。

本(フィクション)を読んで全身を駆けめぐるような衝撃を受けたはいつ以来だろう。本は、読むたびに何かを与えてくれるけれど、こんな感覚になったのは本当に久しぶりで、すごい、感動……、ヤバイ、それしか発することができなかった。そして言葉では表せないような切なさと幸福感に包まれた。SFというジャンルに惹かれてやまないことをしっかりと再認識させてくれた。今年はもっともっとSFを読むぞ。


うちに来てから2年目の多肉植物。昨年秋くらいから急にモリモリ育ちだし、かわいい花を咲かせている。



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