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学びにおけるインタラクションの可能性

日本の教育は、小中高大、そのすべてにおいて、教師から生徒へと、一方通行に講義形式で教育するスタイルが一般的である。
一方で、授業中に居眠りをしてしまう学生も多く、ひじをついてうとうとと首を上下に揺らす姿を見て、先生は「起きなさい」と鼓舞する。

果たしてそれは、本当に眠ってしまう側だけの問題なのだろうか?

じゃあ先生のせいなのかというと、そういうわけでもない。
問題なのは、“授業のつまらなさ” だ。もっというと、その内容がというより、“形式のつまらなさ” が問題なのだ。

一般的に、大人の集中力の平均持続時間は約50分といわれている。普通に考えて、90分間ずっと一方的にただ話を聞かされる場面で、集中し続けられる人はどのくらいいるのだろうか。またそうした場面に、普段の日常生活のなかでどのくらい出くわすことがあるだろうか。

そう考えると、「90分間一方的に話を聞く」というその形式自体に、人間の性質や環境上をふまえた問題点があるのだと思う。

さらにその一方通行性に拍車をかけたのが、このコロナ禍だ。
大学の授業は、一斉に対面からオンラインへと移行した。学生は、自分の姿や表情すら先生から認知されないようになってしまった。またその逆もしかりで、先生も生徒の表情や反応が見えないまま、90分間話をし続けることになる。

それで本当に、お互いに楽しいのだろうか。

たしかに学ぶことは、楽しいことばかりではないかもしれない。
しかし私は、どうせ学ぶなら楽しいほうがいいじゃんと思う。だから同じ内容を学習するにしても、「できるだけ楽しく」学びたい。

そこで大切なのがきっと、双方向のやりとりができる「インタラクション」。

導入するハードルが低い例だと、たとえばコメントペーパーに感想を書いて、先生がそれに対してフィードバックをする。あるいは、学生から直接手をあげて質問してもらう時間を設ける。
先生 → 学生が10対0の一方通行でなく、できるだけ5対5に、先生 ⇆ 学生になるように。
そのように双方向的に学べる授業形式なら、居眠りをしてしまう学生は圧倒的に減るだろう。

一方通行でなく、できるだけ双方向のやりとりができる環境があることが、「質問を考え、自ら思考する」という状況をつくり、聞き手はより能動的に、興味や意欲をもったオーディエンスになることができる。

最近は、大学の講義や企業の説明会などで、チャットを活用して学生から質問を受け付けながら講義や説明会を行うケースも見受けられるようになった。

YouTubeやスタディサプリ等、オンデマンド形式の学習形態が増える時代だからこそ、学びにおけるインタラクションの可能性を広げていく必要性を感じる。

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rika
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