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はやししおり
2018年11月25日 11:37
森が好きだった。小さなころ、朝から晩まで、祖母の畑の傍らで息をした。祖母は黙々を畑仕事をし、わたしはただ大地にとろけた。花や草と会話していただろうか。それとも、小鳥や森に棲む獣と通じ合っていただろうか。具体的なことは忘れてしまったけれど、人間以外の生命の中で息を繋いだ感覚を覚えている。畑に行く途中、森を通り抜ける。その森はいつも静かで、それでいて多くの生命の気配がある。森