しぴ研究員の「おすすめする/しない」映画や音楽、本(24年1月~3月)
最近の投稿が、少し重めのヤツが続いたので、今週は読みやすいのを投稿します。
ここ3ヶ月で、大塚、不破静六、ぶりゃんが見たり聴いたりした映画や音楽を紹介したいと思います。
個性豊かなセレクションをお楽しみください!
映画
『沈黙の艦隊』/不破静六
かわぐちかいじ原作のコミックスをドラマ映画化した作品。
領土的野心を持たず、広い海を自由に泳ぎ回ることのできる原子力潜水艦。そのたった一機が、核武装も仄めかしながら、「強い国家」アメリカと対等に渡り歩く姿は、日本人としての自尊心をくすぐる。
日本やアメリカの政府から追われる潜水艦が。スレスレの危機を運良く生き抜いて行くのだが、白けることなく、手に汗にぎる緊迫の深海戦を実写化している。
しかしながら、Amazonの資本で製作された作品ということからも、日本が現実のところ、脱米自立する未来は遥か彼方なのだと悲観的にならざるを得ない。
『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』/不破静六
1969年に三島由紀夫と全共闘が東大で行った討論をおさめたドキュメンタリー映画。
実際の講堂での様子だけでなく、当時の東大全共闘や楯の会メンバー、そのほか著名人への取材も盛り込まれている。
しかし討論自体は大して面白みがない。全共闘側の観念的な吹っかけに対して、三島が紳士的にあしらって答えるという風だったが、どちらも空回りしており、見ていられないところもあった。
左翼との共闘をもとめる三島であるが、それには全共闘らにひとつ「天皇」と言ってほしいと条件づける。とはいえ、心の底から左右結集を信じるのならば、そのようなこだわりはひとまず措くべきではなかったか。左翼陣営における「天皇」的な存在を許容する必要があったのではないか。
また討論の終盤に、全共闘側の誰かが、「僕がさっき"天皇"と(特にそれを支持するというわけでもなく話の単なる流れの中で必然的に)言ったのだから、三島さん共闘してもらえますか」などと言葉尻を取るように三島へ尋ねていて、阿呆かと思った。
『BLUE GIANT』/ぶりゃん
テナーサックス吹きの高校生・宮本大(だい)が主人公の映画。
演奏シーンの人物がいきなりCGになって驚くけれど、すぐ慣れる。楽器演奏の素敵な演出で惹き込まれる感動作。
サブ主人公的な雪祈(ゆきのり)のピアノ演奏がとても良かった。特に葛藤を乗り越えた後のソロのところ。
音楽
Raül Refree - Full Performance (Live on KEXP)/ぶりゃん
スペインはバルセロナ出身の音楽家Raül Refreeのライブ。パーカッショニストのNúria Andorràとのデュオで演奏している。
フラメンコギターの抒情的なメロディに向かって、フロアタムとシンバルが交通事故的な交わりを行う冒頭の「Lo que esconden」は聴きがいがある。
ピアノ鍵盤の弦にシンセサイザーを噛ませた電子音が、陽気な太鼓に合わせて踊る「Montaña Vacías」の気持ち良さも味わってほしい。
最初あやまってYouTubeの再生速度を1.25倍にしていたが、気付かずに最後まで聴き通してしまった。1.25倍速もおすすめ!
DAMAGE DIGITAL - "Demo" Tape/ぶりゃん
佐賀産・正統派グライドコアバンド"DAMAGE DIGITAL"のデモテープ。先日佐賀のライブハウスで聴く機会に恵まれた。キャリア20年以上の貫禄あるステージで、気持ちよくノレた。
この音源は、デモにも関わらず研ぎ澄まされた好バランスの録音で、怒涛のブラストビートもクリアに耳へ迫ってくる。レコーディングは、佐賀大学内の"Box"(サークル部室?)と、マレーシア(!?)で行われたとクレジットに記載あり。さりげなく入るアニメサンプリングも違和感なくて良い。今後も佐賀で精力的に活動してほしいバンド。
Sete Star Sept - Visceral Tavern/ぶりゃん
https://www.youtube.com/watch?v=P2Y1R0ePMPY&t=657s
※ジャケットがグロいので注意
気が狂いそうで最後まで聴けませんでした🥺(褒め言葉)
↑同じバンドのよりノイジーなグライドコア作もおすすめ。
✿ 111loggedin // Xxenaa ♡ - IXxuSmw2HFNWXLUyJFO7xKIT3E7diFUSa86wgFiMI413xtfZga5hClZ/AgdzP33dhpj+0qc1d5sK2jyH5EqK6g==/ぶりゃん
終末感あふれるテクノ。カバーアートも狂気があって🙆🙆♂️
本
未来の人類研究センター編『RITA MAGAZINE テクノロジーに利他はあるのか?』(未読)/大塚
昨日手に入れた本(よって未読です)。
東京工業大学の利他研究会メンバーが中心となって著した書籍。"RITA MAGAZINE"という名前のように、雑誌風の体裁でまとめられています。
GPTを用いたKJ法アプリを開発するにあたって、利他の問題、もしくは主客没入の問題、に今後行き当たると思うので、何かのためになるだろうと期待してます。
まだ細かく読んでいないので、本当のところはどうか分からないけれど、章ごとに差し込まれる見開きカラーの風景写真は、何を伝えたいのか分からなかったです。
石川大樹、ギャル電、藤原麻里菜 著『雑に作る』(未読)/大塚
こちらもパラ見程度の未読で恐縮だけど、面白そうだったので紹介します。
何かアイデアを思いついた時、それをメチャクチャでも無理矢理でもいいので取りあえずカタチにするのは、とても大切だと思います。
それによって、自分の中にしかなかった空想を、他人へ具体的に見せることができます。さらにフィードバックをもらって改良することも可能です。
それによってしか、自分の夢を実現する道は無いのではないかと思います。
そうしたプロトタイピングの電子工作版としてこの本は、きっと良書だと思うので推します🤗
以上、しぴ研究結社のメンバーが最近見たり読んだり、気になったりしたものたちでした。
また来週の更新をお楽しみに!