【私と本】そんなこともあるだろうな、とおもった
※ちょっとだけ修正しました。
ブッククラブ回というサイトのInstagramをフォローしていて、気になった本をチェックするようになった。これはそのうちの1冊です。
タイトルに惹かれて手に取ったのだけど、読み進めていくうちに「まあそんなこともあるだろうな」と思う内容だった。
遺伝(する)というのは、いくつかの形があるように(個人的に)おもったのだった。
成長していく過程で、大抵のひとは家族に影響される。そのほとんどが両親によるものがおおきいとおもう。
本の中では、『遺伝』の範囲は祖父母や会ったことのない先祖からの影響まで書かれていたりするけれど、それも結局は代々に根付いた『クセ』でもあるのではなかろうか。
近頃よく耳にする『HSP』だったり『ADHD』など主に精神的な症候群みたいなものがいくつかあって、そういったものに名前をつけるということ、実際に診断を受けたり、情報を知って「自分はそうかもしれない」「だからある場合においてしんどいのかもしれない」というのは、無駄であるとまでは言わないけれど、生きにくさなどの克服に役立つのだろうかという疑問が私の中にある。
だってそのうちのどれかだったとしても、生きていかないといけないし、今のところ社会的に守られるなどということはなさそうに見える。私自身、ずいぶん前に「あなたはアスペルガーだとおもうよ」と言われたけれど、だから何だということもない。人生が続くだけだ。
私が時に、元気や勇気や笑顔をなくしたり、方向を見失ったりしてもまた起き上れてこられたのは、現実世界でおもしろがって生きるコツみたいなものを教えてくれる友人たちや、人生を物語として作り上げていく大切さが書かれた書物や読みもの、あらゆる苦労を経験しながら踏ん張って生きている母(家族)の姿だったり、その姿勢から勇気をもらうたくさんの人たちがいてくれる素晴らしさの方に、守られているという実感をより強く感じる。
「あなたはアスペルガーだから」という分析や分類じゃない。そうであってもそうでなくても、またそれを知ったからといって何かが変わるものでもない。
トラウマが遺伝しようが、その根っこみたいなものが自分のあずかり知らない祖先のもとにあろうが、現実の世界で自分自身で解消していくなりしないといけない。近くにこの著者のようなドクター(なのかな)がいて、「これがその原因ですよ」と指摘して、いくつかの解消プロセスまで面倒を見てくれれば解決は早いかもしれないけれど、そうもいかない(本の中には解消していくためのレッスンがいくつか書いてはある)。
まあ、そういう感じで「そんなこともあるだろうな」という印象を受けた本だった。でもこれは、あくまで私が感じたことであって、HSPやADHD、アスペルガー等の症候群に対して、またこの本の内容について否定的であるとか、誰かに意見を押し付けるなどという気は全くないということをお断りしておきたい。
また、以前はこのような繊細さをもった人たちに対して世間は今より冷たかったと想像するし、これから更に研究や検証がすすみ、誰かの心に寄り添うきっかけや理解につながっていくことを願っている。