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【私と本】明治のころを想像する

 ひと月ぶりくらいに外海に行ってきました。今回は仕事の割合2くらいの気もちで、あとは思う存分息抜きといったところ。さらに思いつきで西海市まで足をのばしましたがそのことはまた別の機会に書きたいとおもっています。

 それで久しぶりにこの本を開きました。
 ド・ロ神父のことを伝えるいい本だとおもっています。出津という土地において、住民の自立や教育、開拓など様々な知識と行動力をもって尽力をされた方です。
 1868年に28歳で来日して以来、大浦や横浜、浦上などで神父としてはたらいたド・ロ神父は今も出津にある野道の共同墓地にねむっています。一度も故郷のフランスには帰らなかった。それがどんな信仰なのか、私のような者には簡単に理解するなどできません。

 すごく人柄もよさそうに感じます。この本は物語ふうに書かれているのですべてこの通りではないとしても、他に残されている書籍なんかでもそれは感じられます。

 多くの知恵をもったド・ロ神父。貴族の出で私財も多くそれはこの土地のためにもたくさん投じられたそうです。その使い方というのがまたすばらしく、たんに村人たちに分け与えるというのではなく村人たちが自立して生きていくことができるような仕組みづくりをおこなっています。
 こういうものを読むと、現代の日本のことを考えます。

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ルルドの聖母像/出津教会 玄関塔(明治42年フランスより)

 私はけっこう貧乏なおもいもしてきましたが、私が子どもの頃というのはそういう家庭は今ほど珍しくなかったとおもいます。父母のころは更にそうですね。
 現代は親が子どもに与えます。モノでもお金でも昔よりは容易に与えているようにみえます。それが「しあわせ」なのかは正直よくわかりません、時代だって違うし、私には子どもがいないから何とも言えないですが、心が置き去りになっている部分も少なくないのではと想像します。

 お金の使い方、教育のあり方なんかも考えてしまうこの本。

 ですが、明治のころの「おはなし」という単純な楽しみ方もできるいい本です。おすすめします。

ド・ロ神父と出津の娘たち

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