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2020年3月の記事一覧

詩は、白色と黒色、それから音

沢はちいさく
桜のはなびらが
散ってしまえば
しばらくして
滲みでてきた。

「しかし、

は素晴ら
しい
学績を納めた
ので「おか
しい」
ことを口
にする権
利があっ
た。大
した
仕事もせず
に、自分の権
利ばかり
主張
する
人間
とは違う。」

むかし詩人になるまえは
絵描きになりたかった
でも僕の目は
桜色を桜色として見れないらしい病気
詩は、白色と黒色、
それから音

Windows Updateの詩

多くの詩人は
Windowsを使って
詩を書いている
もちろん詩人でなくとも
WindowsのUIを眺めているひとは
すくなからずいるだろう

「Windows 10最新アップデートで
PCが正常に起動しなくなるバグ見つかる」
なんてこった!

リチャード・ブローティガンの
抱えるタイプライターの重さ
-8ポンド

僕の抱えるラップトップの重さ
-4ポンド

バグの重さ
-計り知れない!

風車

生まれてこのかた
風車なんてものを見たことがない
見たことがないものを
あるとは言えないはずだけど

そうそう
絵画ではよくモチーフになる
あのゴッホやレンブラントも風車を描いている
いい感じになるんだよ

僕の詩にも風車があったらなあ
ここに建てるといい感じになるかな?

二万六回めのあくび

なにかを書こうとするとき
指先とか紙とか
もしくは
世界とか夜とか
そのどちらかばかりになっちゃってるね
中間を探したほうがいんじゃない?
生活のこととか

生活のことねぇ
たとえば一日にどれだけ
あくびができるかとかでもいいわけ?

なにもできない

きみがどれほどの不安を抱いていても
僕はきみの身体を抱きしめてあげることしかできない
と詩に書くことしかできない
詩人の腕はたくさんのものを抱えきれない
ペンと紙と卵とフライパンくらい

オレンジプラネット

馬鹿な想像をしてしまう
世界じゅうが同時に夕暮れだったら
どんなに綺麗だろうかって
そうはいかないのさ
ここの反対側は朝焼けで
ちょっと西はまだ昼だ
いったいどんな美味しいお昼を食べてるんだろうか

僕はいま、あんまり綺麗じゃない夕暮れを眺めている
この世界で僕だけしか見てないなんて信じられるかい?
だって昨日までは二人だったんだぜ
僕はちいさなひとつの影だ
目立ってしょうがないよ

すべて

めんどうだと思うときもある
食う、寝る、やる
石は石としてある
ああ
おれの身体が瑠璃色の石であれば
どんなによかったか

ああ
旧い詩を読んでいると
この詠嘆にたくさんでくわす
漢字でもいい
嗚呼

おれはよく読み飛ばしてしまう
なにを嘆いているのか
わからないことのほうが多い
大仰だと思うことがほとんど
だが萩原朔太郎のいう感傷
これよ
言葉にできない
やつ

おちんちんが気持ちよくないほうが

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りゅうどうたい

言葉はいつも焼かれてしまう
燃やし方によって
いろいろなものになるだろう
たぶん

加減がよいと炭になるだろう
持続する熱
きみもそのような
言葉を眺めたことがある

ずっとずっと熱すると
灰になる
ほとんどは風に吹かれて
消えて
しまう

でもこれは
硝子の材料だ

不思議なことに
硝子は個体ではなく
液体らしい
つねに壊れたがっている
言葉は