橘始めて黄ばむ - 冬・小雪のこよみ -
橘始黄 | たちばな はじめて きばむ
12月2日〜6日ごろ
- 冬の七十二候 -
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橘の実が黄色くなりはじめる頃。
橘は、柑橘類の中では
唯一の日本原産であり 野生種。
古来より日本のあたたかい地域に自生していました。
ミカン科の常緑樹で、ゆずに似た香り。
見た目はみかんに似ていますが
生食には向かないとか。
写真↑は家のすぐ近くにあった橘(です、たぶん。)
可愛い実が次第に大きくなっています。
『古事記』『日本書紀』には、
常世の国から持ち帰った不老不死の実
「非時香果(ときじくのかくのこのみ)」
として登場しますし、
『万葉集』にも橘の歌が多く詠まれています。
(このあたりは好きで、大学でよく上代文学勉強していました)
花は家紋にもなっていたり
文化勲章のデザインにも使われているほど。
橘が、古くから日本人に親しまれ
愛されてきた樹だということがうかがえますね。
冬でもあおあおとした葉を繁らせ、
まばゆいほどの黄色の実をつけるので
いにしえより、日本人には
枯れることがない永遠の象徴
とされてきたのです。
私が橘と聞いてまっさきに思い出すのは、
ひな祭りの時に飾る雛飾り。
桜(桃)の木のお飾りと対にして
橘の木のお飾り「右近の橘」を置きますよね。
幼い頃から
雛飾りの橘がなぜか好きでした。
白くかわいい花、深緑の葉っぱ、丸くきいろい果実…
その内なる生命力を感じて
自然と魅かれていたのかも。
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日本の季節感や暦が
昨日よりもちょっと身近に感じられるような
noteを。
二十四節気・七十二候にあわせて
投稿しています。
四季のうつろいを楽しみ、暮らしを愛おしむ。
せわしない日常の中で
自然の流れを、つと感じてみること。
こんな世の中だからこそ
大切にしたい感覚です。