何もかも憂鬱な夜に
冒頭は中村文則さんの小説『何もかも憂鬱な夜に』の一節だ。
この文章を読んだとき、私はとてつもなく感動した。
言葉ではうまく言い表せないけど、生きていてもいいんだ、そんな感覚を持ったと思う。
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眠れない夜、ふと思い立ってさだまさしさんの『償い』を初めて聞いた。
私は父親を3歳の頃に交通事故で亡くしている。
私の母親がことあるごとにさだまさしさんが好きだと言っていて、『償い』っていう曲があるんだよ、と教えられたことがある。
30年近く生きてきて今まで聴いてこなかったけど、ついに聴いてみたのだ。
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ボロ泣きしたよね。
父を亡くした当時の母の心境だとか、事故を起こされてしまった方の気持ちとか、いろいろ考えて抑えられなくなってしまった。
当たり前だけど、事件も事故も起こす側にもいろいろ事情があるのだ。
悪を悪だと思ってする人はいないとよくいわれる。
みんないろいろ辛いことはあるけど、自分だけでも人には寛容でいたいなあと思った。
寛容になるには、いろんな立場の人の話を聞いて共感力を上げることが大切だ。
『償い』を聴いたあと吸い寄せられるように積読本のこの本に手が伸びた。
直感は、合っていたと思う。
最近の私の直感は、異常だ。
ソルフェジオ周波数のおかげなのか?なんて考えてしまう。
という妄想はどうでもいいのだが。
この本は孤児と犯罪を扱った作品だ。
とても重い内容の本。また泣いた。
芥川賞作家らしい硬派な作品だと思った。
不思議と後味は悪くない。
又吉さんの解説も良かった。こんな文章をお書きになるなんてビックリしました。
火花も読まなければ…!
感想に戻る。
全ての人がもっと幼い頃に純粋に芸術を楽しめていれば、その機会を与えてやれば、世界は明るくなるのではないか。犯罪も、警察も、暴力団も、なくなるのではないか。というのは私の甘い考えだろうか。
主人公の恩師であるあの人の持つ言葉の意味が重い。
そう、いろいろ考えて生きていかなくてはいけない。
自分だけでもやさしくありたい。なんて思った。
どうしても辛くて眠れないときは読書をするといい。
読書は著者との対話だ。本を読めばそこには書いた誰かがいる。
今日も夜が明けた。
どんなに辛くても朝は来るのだ。
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