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心の中の記憶6 こどもが学校に行かない選択をしたら

8年半前の話。
小学2年生だった娘が学校に行きたくないと全力で訴えてきた。
休ませようと学校に電話をしたところ、担任が玄関に迎えにきて、開口一番「お母さんが娘さんの未来の選択肢を狭めないでください。かわいそうです。」と諭された。
そのまま、熱心な校長の面談を受け「娘さんは、まだ諦めを知らないのですね。新美南吉『でんでんむしのかなしみ』を読んだことはありますか?」と、あわせて病院の受診と投薬をすすめられた。

先生方に褒められた「お母さんの頑張り」もあって、娘は年間30日以上欠席することなく=不登校の定義にあてはまることなく、小学校を卒業した。

3ヶ月経って、中学1年のゴールデンウィーク明け、玄関前で同級生二人が待ってくれている姿を見て、突然しゃがみ込み石のように固まった。体が動かなくなり、ベッドから出ることができなくなり、昼夜逆転が始まった。

「お母さんの頑張り」を続けることが正解だと思っていた私も、なにか違うと感じた。そのころから世間の流れも先生方の対応も、学校に行かない選択を悪として拒絶することがなくなってきた。

今朝の娘は、不安を口にしながらも笑顔を見せて元気に通信制高校に登校した。

早朝には、中学1年の息子に「今週は学校に行かないことにする。ごめんね。」と謝罪された。

罪のない息子に罪悪感を与えているのは私かもしれない。こんなふうに、たまに、自分の影に取り込まれる。影に気づいているけど、不安で怖くて、まだ逃げ回っている。

「投影」、自分にも、相手に対しても傷つける反応をしたくはない。自分自身をよく理解することが、自分の影に向き合う方法。逃げ回らなくてもいい。
娘、続いて息子に気付かされている。


何をしたら良いのかがわからない、それでも親として何かしなくてはという焦りに駆られた頃、この三冊を順番に読んでいきました。

鈴木理子
『不登校は子どもからの「メッセージ」
不登校から抜け出し家族に笑顔を取り戻す習慣』

金馬宗昭
『不登校 ひきこもり こころの道案内
-今日からできる具体的対応法』

齊藤万比古
『不登校対応ガイドブック』


それは彼、彼女自身の選択。
子どもたちの未来への力を、信じきること。

同時に、自分自身を大事にすること。
できることはたくさんあるから、大丈夫。
元気で暮らそう。

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