Kebun

9月まで、心の中を記録しておきます。

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最近の記事

心の中の記憶14 パリにきて

子どもとのヨーロッパ旅行、パリにいる。 楽しむでもなく、居るという感じ。 ブローニュ=ビヤンクールの民泊に泊まって最終日、アパートに居る。 NHKのびじゅチューンのおかげで、モナリザ、コロッセオやニーゼン山、色々な美術について子どもたちが関心を持った。小学校低学年の頃だったから、しっかりすりこまれて、今回の旅行で助けられた。 最終日、ルーブル美術館に行く予定を組んでいたけれど、弟は疲労でダウン、姉はライブの当落発表日で忙しい。 入館予約時間ギリギリに、Uberで夫と姉が

    • 心の中の記憶13 マヨール広場をながめながら考えた

      スペイン、マドリッドを旅行中。 コルドバからiryoでアトーチャ駅。 タクシーでマヨール広場。 外国にいけば子どもたちの気分転換になると考えた軽率な私の目論見は外れ、娘はどこでもいつでも怖くなる。処方薬を持ってきてはいるが、旅行に出てから、毎日1度は怖さに耐えられなくなって、泣いている。動けなくなってその場に固まる。 なんとも、2次元の推しに対する恋心で、吐いてしまうほど苦しんでいる。 スマホネイティブ世代、どこまでいっても囚われの身。手元にいつもある携帯。「お母さん、喋

      • 心の中の記憶12 子どもたちとヨーロッパを旅行中

        家を出発して2週間。子どもたちも8Kgのリュックを背負わされ移動、iPadをなくしたり、日本では経験する必要のない日々を経て、アパートでだらだらする時間がふえてきた。 日本と変わりばえない生活に物足りなさを感じていた矢先、娘が貧血で動けなくなった。 スペインのフライパンと呼ばれるコルドバ、メスキータ前のバーガーキング。 ハンバーガーを前に、机に顔を伏せる娘。 息子が黙ってタクシーを探しに行ってくれた。逞しくなったものだ。 レジ上のモニターの、ワンピースコラボ、 サンジとル

        • 心の中の記憶11 自分の中にとじこめられているはずのものをうみだす

          月に一回、娘のカウンセリングがある。夕方の45分、10分間は私の話を聞いてもらう。 150床ある大きな病院。待合室はゆったりとしていて、一面の窓ガラスに夕陽が差し込む。 精神病院に初めて行ったのは、小学2年の時だった。祖父が、夜中に「倒れる」と叫びながら、家の外壁に釘を打ち出した日からだ。 土曜日、父が、祖父母と私を連れて精神病院に通った。父が私の面倒をみていたのだろう。 シートベルトをする習慣がなかった当時、車内で祖父の奇行に倒れる祖母を支えたり、私は祖母の付き添い気分

        心の中の記憶14 パリにきて

        • 心の中の記憶13 マヨール広場をながめながら考えた

        • 心の中の記憶12 子どもたちとヨーロッパを旅行中

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          心の中の記憶10 私の影をあかりで照らす

          今日も、娘がしにたいという。 ほぼ毎日、その時間はやってくる。リスペリドンは処方されている。 去年の夏は酷かった。ころしてよとしつこく頼まれた。ホテルで、高層階のベランダから突き落とせといわれた。首を一度、締めるふりをしてみた。涙が出た。泣き叫び、疲れ果て薬が効き、娘は眠る。 息子は泣いて逃げ出す。隠れる場所がないホテルで、息子はバスルームの浴槽にうずくまっていた。 お母さん、怖いよ。しにたいよ。どうすればいいの、ねぇ、お母さん。 私が返せることばは、生きていれば、しにた

          心の中の記憶10 私の影をあかりで照らす

          心の中の記憶9 香港ニューラッキーハウス 子どもと海外を旅する

          若い頃、バックパッカーだった。 10年ぶりにメキシコを訪ねたとき、現地の友達がことばを選びながら、あなたは昔、ヒッピーだったよねと笑っていた。 自分なりの身を守る術だったけれど、バックパックを背負いながら美しく旅をする方法もあったはず。若い私を慰めてあげたい。 結婚して、下の子が3歳を過ぎ、家族で初の海外旅行に行った。手始めに、香港マカオ。 香港の裕華国貨 佐敦総店前にあるNew lucky houseに、バックパックを持って家族4人で宿泊した。 薄暗く湿気が多く、窓ひ

          心の中の記憶9 香港ニューラッキーハウス 子どもと海外を旅する

          心の中の記憶8 おばさんロマンチックコメディ映画

          オープニングで観ることをやめていた映画、 クロアチアが舞台の「さえない私にさようなら」。 結婚生活に疲れた49歳のおばさんがヒロイン。 ナオミ・クラウス。自分を重ねて観るに、ちょうど良い。 歳をとったら語ってはいけない類いの話しか思い浮かばない、私。夫が、誰かに私についてきかれたとしたら、どう表現するだろう?  奥さんはどんな人?  「ただのおばさん」 そんな妄想を振り切ってみた。 映画に向き合うエネルギーがたまってきたので、皿洗いをしながらみはじめる。 50才前後、

          心の中の記憶8 おばさんロマンチックコメディ映画

          心の中の記憶7 激励のことば

          15年ほど会えていないいとこから、推し活で、 大相撲五月場所に行くとLINEがあった。 「息子の夢はタニマチだから」えっ? 「でも挑戦するの大事だから☺︎」 息子さんは、よく赤ちゃんの頃スカウトされていた、かわいい顔の自閉症の大学生。 子どもが本気でタニマチになりたがったら、私は応援できるだろうか。 娘のスカートの裾を短くしてもらった。 イオンモールの一番隅にある、場所と時代が歪んでいるような空間。年配の女性たちが和気藹々とおしゃべりしながら手を動かしている。レジには呼

          心の中の記憶7 激励のことば

          心の中の記憶6 こどもが学校に行かない選択をしたら

          8年半前の話。 小学2年生だった娘が学校に行きたくないと全力で訴えてきた。 休ませようと学校に電話をしたところ、担任が玄関に迎えにきて、開口一番「お母さんが娘さんの未来の選択肢を狭めないでください。かわいそうです。」と諭された。 そのまま、熱心な校長の面談を受け「娘さんは、まだ諦めを知らないのですね。新美南吉『でんでんむしのかなしみ』を読んだことはありますか?」と、あわせて病院の受診と投薬をすすめられた。 先生方に褒められた「お母さんの頑張り」もあって、娘は年間30日以上欠

          心の中の記憶6 こどもが学校に行かない選択をしたら

          心の中の記憶5 運命 再会

          運命の人になりたかった相手が二人いる。 一人はシェームス。コスタリカの語学学校で三週間一緒だった。お互い拙いスペイン語で会話し、毎日出かけた。世界は広く、何がなくてもわかりあえる人がいた。 ゴルフコースについて行ったとき、カサカサの唇がぶつかってきた。乾きすぎていて、キスだと気付かなかった。今の私の唇も、そこまで乾いていない。20代後半だった私より、だいぶ、ずっと年上だった。ダブリン在住の元ドイツ語教師。ヨーロッパの歴史をよく知らないけれども、複雑な過去を背負っていたと思

          心の中の記憶5 運命 再会

          心の中の記憶4 おじいちゃん

          5月12日 母の日、中学生の息子が黄色いカーネションを2本プレゼントしてくれた。 「お母さんは黄色が好きだと思って。」 とても嬉しい。 風水で、黄色は金運が上がるといわれているそうなので、なにかと「黄色がいい」と言ってきた。 庭の西側に、黄色い洋ギクも植えた。10年近く、いつでも、少ない時も一、二輪、咲いている気がする。満開に咲きほこっている季節は、株の調子も良い気がする。でも、私は本当は何色が好きなんだろう? 昔、庭で大菊を育てていた祖父は趣味人だった。高級金魚のらん

          心の中の記憶4 おじいちゃん

          心の中の記憶3 ライフフローチャート

          5月11日 先週電話で、妹が、全資産を書き出して家計簿を付け直し節約に励んでいると話していた。ライブに行くための費用を捻出するそうだ。 彼女は、全国友の会で、家計簿講習会に参加したり子育ての勉強をしたりと、私とは違う種類の学び方をしている。 書き出すと見えてくるというのは、本当なんだと思う。お金もしかり、人生もしかり。 今、私も自分を知る試みのひとつとして、心の中を記憶するために書き出している。 昨年、初めて数秘に興味がわいたので、数秘アドバイザーの方に色々と教えてもら

          心の中の記憶3 ライフフローチャート

          心の中の記憶 2

          愛の概念 5月10日 最近 愛 の概念が気になっていて、今朝、本屋に 『愛するということ 新装版』を探しに行った。 エーリッヒ・フロムの本は『生きるということ 新装版』だけがあったので、それを買うことにした。 黒柳徹子『本物には愛がある』が平積みになった棚の前に、敬虔なクリスチャンの知人がいた。 40年前に子どもたちへの読み聞かせグループを始めた方で、70代だろうなと思っている。 いつも何かと、温かいことばをかけてくれる。 長い立ち話のなかで、マザー・テレサは「痛みを

          心の中の記憶 2

          心の中の記憶 1

          5月9日 娘から通学途中に電車の中で倒れたとLINEがきました。本人からの連絡だったので、駆けつけなければという気持ちはわきません。 ああ、娘が再び社会生活を送り始めたと強く感じた瞬間でした。あの子が社会に出ていることに対する喜びが、心配よりも勝っているという発見でした。 中学1年生の6月から顕著に動けなくなり、2年生から児童精神科で処方される薬をのみ始め、同時に母親である私も寝込んだり叫んだりの日々は、通り過ぎたなと感じました。 現在、息子は中学校に足が向いていません

          心の中の記憶 1