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作家/韓江のことば「すべての白いものたちへ」

ついに見つけました!(村上春樹よりも先に) アジア人女性で初めてノーベル文学賞 受賞した女性作家、韓江=#한강 #Han Kang、#ハン・ガンさん「 #すべての白いものたちへ」(河出文庫)
並べている書店を探し出すのがまず難関でした。そしてついにこの日が来た!
参考までに去年の初刷りで今回第五刷り、10/25の日付だから刷り立て!!

まずページをめくると、インデックスのように おくるみ/うぶぎ/しお/ゆき/こおり/つき/こめ・・・・・・と身の回りの白いものを列挙している。(原題は【白い】)
それらをテーマに其々エッセイが綴られていきます・・・・・・・のように見せかけて実は自身の出生や生後二時間で逝った姉へのレクイエム、長期滞在していたポーランド・ワルシャワでの日常などを、客観視した視点から物語ってゆくという 構成。

本作が執筆されたのが光州事件を描いた代表作:少年が来る(2014年)の執筆後。ハードな内容の仕事を終えて、自らの心を安らげさせたい気持ちがあったのだと語られています。そんなところからこの作品のモチーフが窺い知れてもきます。

文中でご本人は作者のことばであると言明しておられるが、エッセイなのか?いやポエム集のようでもあり・・・・・・・という評価は (センテンス)文の短さからそう感じるのか?ふんだんに挟まれたイメージ写真がそう思わせるのか?

それだけではなく命をなくしたものたち、戦禍や破壊されたものを冷徹に、感情を押し殺して表現するスタイルもくり返されている。そして亡くなった姉への追慕やその後のありえたはずの人生に思いが巡る。
文が短いことは翻訳者にとっても作業を優しくしてくれるし、解釈に差異を生む恐れが少ないこともワールドワイドに愛されている秘訣なのかもしれない。いずれにせよアジア人女性から文学賞受賞者が輩出されたことはとても誇らしい!

この第五刷りが出てから、まだ数日
主な書店の目立つ場所には平積みされた本書が目につくようになってきた。
河出文庫のコーナーを見つけなくても、売れ筋の本を探してゆけばきっと容易に見つかることでしょう。

実は初版本をお読みになった night owl さんの言によれば、ページの髪質がパートごとに微妙に違っているらしい。文庫版ではそこまで再現されてはいないが、再販されでもしたらぜひ手に取って確かめてみたいモノです。

この記事を書いた数日後、増刷された文庫版が主な書店の目立つところに平積みされるようになりました。ハンガン・ファンはこの国でもきっとその数を増やしてゆくことでしょう。
https://www.google.com/search?client=safari&rls=en&q=%E3%80%8C%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%81%8C%E6%9D%A5%E3%82%8B%E3%80%8D&ie=UTF-8&oe=UTF-8

も早く読んでみたい一冊です

追記
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神保町駅■ 開催日程
11月23日(土)12:00〜18:00
11月24日(日)11:00〜18:00

作家チョン・セランさん、キム・チョヨプさんに加え、新たに多数の人気作家の来日が決定、ライブなステージでトークが聞ける貴重な機会は見逃せない!

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