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ラジオの記憶㉝配信番組の可能性-------緊急トークライブ「性暴力を問う~いま、社会は何をすべきか~」

 ラジオの番組で、トークライブの告知をする機会も増えてきたと思う。

 そして、ライブとして現地に行きたい気持ちもあるけれど、まだコロナ感染への恐れもあるから、同時に配信もしてくれると、とてもありがたい。

 今回も、そういう企画があった。


「性暴力を問う~いま、社会は何をすべきか~」

 少し前の話になるが、このトークライブをチケットを購入しても視聴したいと思ったのは、ラジオ番組と新聞の合同企画でもあったからで、そのことで、視点や話に幅ができるのではないかと考えたせいもある。

 約2時間30分くらい。登壇者の中で失礼ながら知らなかったのは毎日新聞専門記者・大治朋子氏だったのだけど、これをきっかけに著書を読み始めた。

 自分もそうだけど、性暴力について、どれだけ無知だったのか。さらには、そうしたことについて、噂としてぼんやりと知っていたとしても、それがどれだけ深刻な被害になっているかについても知らなかったことを、改めてわかる。

 その上で、ラジオ、新聞、フリーのジャーナリスト、当事者と、それぞれの視点がやはり微妙に違うようなのだけど、どういうことが問題なのか?といった意識のようなものが、どこかかなり似ているように思え、それぞれに話をし続けていた。

 終盤になって、ライブの参加者からの質問も出て、そのことで、画面で見ていても、その場所の空気が動いているように思えたし、登壇者同士のコミュニケーションがあって、それによって、登壇者自身もエンパワーメントされているように感じたので、こういうことがあるから、人が集まる意味があると思えた。

 オンラインで、アーカイブもあったので、2回視聴した。

配信番組の可能性

 新聞の部数は落ちている。ラジオの視聴率は一時期はかなり落ちて、現在はポッドキャストも含めて、幅広い展開を始めたので、もしかしたら、これからリスナーは増えていくのかもしれない。

 そういった、これからのリスナーを広げていこうとする流れの一つとして、こうしたトークライブも企画されているとは思うのだけど、今回のライブを視聴して、メディアであっても、新聞だけ、ラジオだけ、といった登壇者ではなく、さまざまな場所で報道に携わっている人が、顔を合わせて話す、ということに、その場のトークだけではなくて、それからあとに、何かしら共同で取材する、といった可能性も出てくると思えた。

 そうであれば、新聞でも、さまざまな新聞社が何社も集まって、前もって用意した話だけではなく、議論でも対話でも、話をする時間をたっぷりとって、それをトークライブとして見せる、ということもできるのではないかと思った。

配信番組へのリクエスト

 このトークライブを視聴したあと、メールで、同じような形態の番組を知らせてくれるようになった。かなり芸能に関するテーマが多いような印象がある。

 ただ、今、個人的に、視聴したいとすれば、もっと大きいテーマだと気がついた。

 例えば、政治の話題であれば、「次の選挙はいつか?」「大臣は誰か?」といった政局のような平和な話題ができる時期は過ぎてしまって、本格的に「政治そのもの」を考えないといけないのではないか、と思った。

 例えば、「この10年の自民党の政策についての本格的な検討」といったテーマだったら、おそらくチケットを購入したい。それも、今回のようにTBSラジオと毎日新聞が軸になるだけではなく、テレビも、新聞も、政治記者をすべてを集めるようなトークライブにした上で、同時に配信もするようにして、資金を集める。

 さらには、もし、そうした大きなテーマが可能になるのならば、時間を無制限にしてほしい。今回のトークライブ「性暴力を問う~いま、社会は何をすべきか~」でも、空気が大きく動きそうな気配が出てきて、人と人とのコミュニケーションが予想外のところへも動きそうだと感じたのは、2時間を超えた頃だった。

 だから、基本的には無制限にして、それで途中退席も可能にした上で、7時間でも8時間でも対話を続けてほしい。

 そのためならば、チケットの代金は高額になってもいい。

 あとは例えば、「コロナ対策の3年半。少しでも感染死者数を減らすことはできないのか」といったテーマで、医療、高齢者の施設、病院、感染者の当事者、自宅療養で亡くなった遺族、報道、それぞれの専門家や当事者を集めて、トークライブをおこなえば、それで、初めて本当の意味での振り返りと反省ができる可能性が出てくるのではないだろうか。

 そして、これも、時間無制限で話すべきテーマだと思う。 

 個人的には、長い時間話さないと、おそらくは本当に思っていることが言葉になりにくいと考えているせいもある。

 もちろん、これは「アニメの可能性」といった文化的なテーマでも、現場や、見る側の専門家など、さまざまな立場の人を集めて、長い時間語られることで、初めて発生する思考や視点があるように思う。


(時間無制限に近い対話をするトークライブは、「ゲンロンカフェ」で見てきた。長いと必ずいい議論になるとは限らないが、長くないと、他で聞けないようなトークにはなりにくいと思う)。


秘密保持

 そして、こうしたライブがさらに意味があるものになるとすれば、登壇者の「安全性」も可能な限り高めることで、その発言が少しでも自由になり、同時に大事なことも話される可能性が出てくるはずだ。

 そのためには、「秘密保持」が大事になってくる。

 やはり、料金を払ってまで視聴する人は、無闇に、そこで話されたことを、切り取って批判をするために広めたり、といったことは少なそうだし、同時に、そこで話されたことを広く知らせてほしい、といった人もいそうだけど、やはり「秘密保持」という「安全性」を高めることで、そのライブの質が上がることがある。


(この配信↓は販売チケット数が7万枚を超え、2023年で4回目だけど、3回目までの内容が、SNSを含めて、具体的な情報が漏れることがなかったようだ)

 このオードリーの配信では、わざわざ「秘密保持」のお願いを、番組内で毎年、繰り返していて、それは野暮かもしれないけれど、そうした確認も、もしこれから大きなテーマでのトークライブをするときには、必要になってくるように思う。

 ただの一視聴者としてのリクエストとして、勝手に話を大きくしてしまっているのだけど、そんなことを想像してしまうほど、さまざまな立場の関係者が登壇した「性暴力を問う~いま、社会は何をすべきか~」は、興味深かった。



(他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。





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おちまこと
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