蝶の名前
急に、妻から呼ばれた。
庭に、珍しい蝶がいるよ。
この季節になると、モンシロチョウとか、アゲハチョウは、ひらひらと、本当に不規則な軌跡を描いて飛んでいるのを見ることが増え、その飛び方に、ちょっと感心もする。
階段を降りて、玄関をそっと開けたら、妻が、こっちと指を指す。
確かにあまり見たことがない蝶だった。
あ、と思ったら、ちょっと見失いそうになった。
noteを始めてから、何かあると、写真を撮る習慣がついたから、すでにカメラを持っていて、珍しい蝶を、撮影しようという意欲だけはあった。
だけど、あっちへ飛び、こっちへ飛び、ひらひらとしていて、止まったと思って、カメラを構えると、また飛び立ち、なかなか撮影できなかった。
あきらめそうになった頃、葉っぱにとまったので、あわてて、でも、あわてた気配は出さないようにカメラを構えて、シャッターを切った。ファインダーをのぞく、古いタイプのデジタルカメラなので、何枚も続けて撮影するには、ちょっと反応が遅く、焦ったが、なんとか撮れた。
そのあと、蝶は、遠くに飛んで行ったようだった。
撮影後、確かめてみたら、ややピンボケだけど、noteを始めた、この3ヶ月で、急にカメラを扱うことが増えたくらいの腕なので、こうした動く生き物を撮るのは難しく、自分としては、よくやったほうだった。
そこで、妻にも見せて、なんだかちょっと満足していた。
次の日、朝起きて、妻と話をしたら、昨日、撮影した蝶の名前がわかっていた。
ルリタテハ。
あまり聞いたことがない名前だから、聞き返してしまった。
昨日の映像を、撮影したカメラを持って、そうしたことに詳しい人に、妻が尋ねてくれて、その蝶の名前が「ルリタテハ」だと、すぐに分かったらしい。
詳しい人は、すごい。
妻が言うには、以前と比べて、私がいろいろなことに興味を持つようになった、らしい。
それは、このnoteを始めて、毎日書くようになり、そのおかげのようだけど、改めて聞くと、自分の浅ましさを感じて、ちょっと恥ずかしい。
デジタルカメラも、もう20年くらい前に、人からいただいたもので、ファインダーをのぞくタイプだから気に入っているのだけど、ずっとほとんど引き出しに入っている時間が長かった。SDカードも、2GBのものしか使えず、そのカードを売っているところが限られているから、もう少したつと、MDのように手に入りにくくなったり、手に入るにしても、かなり高い料金を払うことになるから、もう少し買い溜めしたいと、思いながらも、まだ購入できていない。
それでも、散歩する時や、図書館に行くときにも、デジタルカメラを持ち歩くようになり、確かに周りのこともよく見るようになったと思うし、撮影を意識すると、小さい街でも、面白いものがたくさんあると、より思うようにもなった。
自分は現金だと、改めて分かったようにも思う。
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『自分史上、最古のフェイクニュース』から、現在の「フェイクニュース」のことまでを考える。
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