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歯が欠けるのは、かなり悲しい。

 生まれつきのことで、どうしようもないことは多い。

 眼底検査をしたとき、眼科医が少し首をひねっていた。詳しくはわからなかったし、詳細はおぼえていないのだけど、どうやら、眼底にゆがみのようなものがあって、最近、このようなことがあると問題だけど、それは生まれつきのもので、だから、大丈夫です、みたいなことを言われた。

 最近は減ったのだけど、鼻の穴の中に大きなオデキのようなものができて、そこには血が溜まるらしく、しばらく経つと、表面が裂けて、流血し、元通りになる。それが一年に何度かあって、その時に耳鼻咽喉科に行ったら、これは生まれながらに、ここにすきまだか、穴のようなものがあって、治すためには、口の方から骨を削るような手術が必要になりますが、どうしますか?と言われて、(詳細は、やはり微妙な違いがあるかもしれない)そこまでの覚悟もないので、様子を見ます、と答えて、さらに年月が経った。

 誰でも多少はあるのだと思うけれど、あちこちがちょっとボロい。それも、生まれながら、と言われてしまうと、何もできないような無力感も感じる。


歯が弱い

 いちばん、困るのは、歯が弱いことだ。

 月に1度は歯医者に行くようになって、かなりの年月が経つのだけど、その医師には妻もお世話になっていて、妻の母親を家で介護していた時には、当初は連れて行ったが、歯医者の前の階段があって、おんぶをしないと病院に行けなかった。

 そのときに私が義母をうまく背負えていないこともあったのだけど、痛いと言われたり、後ろに落ちそうな怖さがあったせいか強く腕を体に回され、時々、首の近くまで絞められる形になり、苦しい時もあった。そんな騒ぎもあったせいか、そのうち、訪問で診療をしてくれるようになって、だから、歯科医には感謝もしている。

 その医師に、よく言われる。

 私の歯は弱いそうだ。それも生まれつきだから、仕方がないらしい。それもあって、月に一度行って、マメに見てもらうことによって、なんとかこれ以上、歯の状態が悪くならないようにしたいと思って、通っている。

 それでも、行くたびに、また虫歯になってる。不思議だ。どうして、こんなにできるのだろう、とも言われている。

 最初は、40歳を超えたら虫歯にならない、ということを言われていて、だけど、虫歯はできているそうで、やはり歯の磨き方が悪いのでしょうか、と尋ねると、私のせいじゃない、と、何度も言われる。

 それも、歯の体質のようなものらしい。

 ちょっと悲しい。

口の中の違和感

 いつものように、月に一回の歯医者に行ってから、1週間くらいたった頃。

 何を食べていたのかは覚えていないけれど、特別硬いものを食べていたわけでもなかった。

 歯が弱いと言われるようになってからは、あまり硬いものを食べないようにしている、などと書くと、本当にどんどん老いていくようで、やっぱりちょっと悲しくなるが、そのときは、急に口の中に硬い違和感があった。

 あれ、こんなもの食べたっけ。

 そんなゴロゴロした感触があって、さすがに飲み込むわけにいかず、その確認をしたら、歯だった。

 

 口の中を確認したら、前方の上、やや右の方の歯の裏が欠けているのがわかった。

 ちょっと穴が開いたような感覚。

 その歯は、全体のシルエットが薄くなったように感じ、このままにしておくと、この歯全体が壊れてしまうのではないか。

 歯が、こうした普通の食事の時に欠けたのもショックだったけれど、残った部分がなくなってしまったら、より悲しい。

 ただ、その欠けたあたりを、何ヶ月か前に治療してもらった記憶があった。だから、この欠けたのは歯ではなくて、その詰めた部分ではないか。だからと言って、状況は変わらないけれど、歯そのものじゃないと、なんというか、ちょっと安心できるような気がする。

 それに、欠けた部分が、もしかしたら、治療の際に何かしらの役に立つかも、と思って、妻に小さなビニールの袋を用意してもらって、そこに入れておいた。

 ただ、このままにしておいて、大丈夫だろうか。次に歯医者に行くまでは3週間くらいある。

歯医者への電話

 歯か、詰めたものか分からないのだけど、欠けてしまったのだけど、次の診察まで大丈夫だろうか。それとも早く行ったほうがいいのかを確認したくて、電話をした。

 そうしたら、珍しく歯科病院は、休みだった。夏もほとんど休まないから医師への心配はしつつも、いつもやっていると思ってしまっていた。留守番電話だったので、歯のことを短く伝えるメッセージを入れた。次の診察日に、電話しますとも伝える。

 少し経ったら、歯科医の人から直接、電話があった。その時には家にいなかったので伝言を残してくれていた。なんだか恐縮してしまったけれど、次の診察日までを待つことにしていたら、その日に私が出かけていたときに、今度は受付のスタッフから電話があったらしく、妻が対応してくれて、気がついたら、予約が決まっていた。

 いろいろ申し訳なかったのだけど、ありがたかった。

歯が欠けるのは、悲しい

 診察日には、いつものように出かけたけれど、小さい袋に入った歯かもしれないかけらをポケットに入れた。

 歯科医に着いて、受付で、おわびとお礼を行ってから、待合室で待って、お待たせしました、と呼ばれ、医師にも、御礼を伝えて、小さい袋に入ったかけらを渡す。

あ、これ、歯だね。随分、豪快に欠けたね」。

 すぐにそう言われて、歯なのがわかった。治療のあとで人工的なものではなかった。

 治療もしてもらったけれど、その歯は、やっぱり弱く、うまく治療をしないとなくなってしまうそうで、差し歯になるのかもと思い、またお金がかかるのかとも不安になり、だけど、まずは、その欠けた部分を埋めてくれたので、普段の生活に支障はなくなった。

 歯が欠けるのは、やっぱり悲しい。

 これからまた、気をつけていても、こういうことが増えるかと思うと、悲しいだけではなく、ちょっと怖い。

 ただ、これからも月に1度の歯医者通いは、続けると思う。



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おちまこと
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