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ニベアの「青缶」!

 いつの間にか、空気が乾燥してくる頃に、顔がカサカサになってしまっていることを、妻に指摘されるようになった。すごく汗かきだから、自然な保湿力があったはずなのに、やはり、肌も歳をとる、ということだった。

 それよりも少し前から、冬になると皿洗いのせいか、指先がアカギレになって、痛くなって、どうしようかと思ってもいた。

 顔も、何か塗った方がいいよ、と妻に言われ、確か、最初は、妻が使っている乳液を借りて、顔を洗ったあとに使った。個人的には、洗った顔がヌメヌメするのが、微妙に耐えられない気持ちになって、使わなくなった。

 せっかく、考えてくれたのに、申し訳ない気持ちになったが、やっぱり、自分には合わないようだった。慣れていないせいもあったかもしれない。

「青缶」を使う日々

 2年ほど前、出かけて、隣町にあるドラッグストアの前を通った時に、大きいカゴに積んである青い缶があった。

 それが保湿クリームらしいこと。何よりも、セールで、税抜きではあるけれど、400円を切る安さにひかれて、顔のカサカサと、指のアカギレには、ずっと困ったままだったので、まずは買うことにした。手に取ると、思ったよりも持ちやすく、何しろ、とてもシンプルな商品デザインがかっこよく見えた。

 その後になって、これが、通称「ニベアの青缶」だと知った。

 

 顔を洗った後に、ニベアの青缶を使った。
 皿を洗った後にも、青缶を使う。

 乳液の時には、ベタベタしてしまっていた。このクリームの方が、固体に近いのだから、もっとうっとおしく感じてしまうかも、と思ったが、使うと、そんなに気にならなかったのは、気持ちとしては、オロナインとかの薬を肌に塗ってきた「歴史」はあるから、これも、それに近い感じがして、抵抗感が少なかったのかもしれない。

 それから、ひげをそった後にもニベアクリームを塗って、手や指にも塗るようになって、そのうちに、あれこれ体にも使うようになったのは、やはり、自分にとって使いやすかったのと、値段が安かったし、デザインもスッキリしていて、使うことに抵抗感が少ないせいもあったと思う。
 いつの間にか、日常的に使うようになった。

自分へのケア

 肌のカサカサも減ったように感じていたし、指先のアカギレは明らかに減った。
 それでも、自分の老化があるから、ニベアクリームが支えてくれているとはいっても、近い将来は、老化が上回る可能性もあるのだけど、今のところは、なんとなく快適に使っている。

 肌に何か塗ったり、手指を少し大事にする習慣がつくことで、微妙に意識が変化しているように感じ、自分へのケアは思ったより大事ではないかと思うようにもなった。

 さらには、どこまで本当か分からないのだけど、どこかで、ニベアの青缶は、値段はリーズナブルだけど、高級な保湿クリームと、成分的には、そんなに変わらないかもしれない。という情報が目に止まるようになってきたのは、自分が使うようになってきたから、という都合のいい気持ちの変化だとも思う。

オンラインによる意識の変化

 コロナ禍によって、オンラインでのミーティングなどを行うようになった。たとえば、ズームを利用して、何が気になるかというと自分の顔が映っていることだったから、この記事↑のように、見ている人に対して、不快な感じにしないように、という意識が高まることは、自分も含めて、いいことだと思う。

 ただ、ズームで自分の顔を見る感じは、録音された音声で初めて自分の声を聞く印象と似ていて、微妙に嫌な気持ちになる。あ、いまの自分の顔、こんな感じなんだ、とか、こんな表情で話しているんだ、といったことも分かる、と思う。

 もし、それを繰り返せば、嫌であっても、録音された自分の音声を何度も聞くことで、相手へ無駄に不快な話し方をしないで済むようになる、と言われていることと同様に、少なくとも相手を不快にさせるような表情をすることは、減るような気もする。

 そのことと同時に、自分の肌への関心が高まった方が、自分を大事にする意識が少しでも高まるのではないか。平気で肌をカサカサさせていたし、アカギレは仕方がないと思っていた、かつての自分を振り返っても、そんなことを思う。

 そのことによって、これから、人と人との関係性も、少し変わるかもしれない。それは、今の自分の行っていることは、スキンケアなどと言えるレベルではないと思うのだけど、妻が肌の手入れを日常的に繰り返している凄さは、自分がニベアの青缶を使うようになってから、少しだけ分かるようになった気がするからだ。

一緒に使う感覚

 そのニベアの青缶は、私だけがしばらく使っていた。
 妻にとっては、匂いが少し苦手だったし、のびが硬いというような感覚だったらしいが、最近、足の裏に使うようにもなって、一緒に塗るようになった。

 それが、なんだか、少し嬉しいような気になっているのは、同じものを一緒に使っている感じがするから、だと思う。

 だから、これからは少し減る速度が増えそうだから、いつもよりも早めに、ニベアの青缶を買おうと思うようになった。


 一人だけで使っていると、マヨネーズを使い切る時と同様に、青缶の底に、もうあるかないか分らないくらいになって、缶の地肌が見えるような感じになっても、指ですくいとって使い続けて、妻に「もうやめれば」と言われてしまうのだけど、妻と一緒に使うようになれば、そういうケチくささも減るのではないか、という期待もある。

クリスマスバージョン

 もう昨年の話になってしまったけれど、クリスマスの時期の前には、ニベアの「青缶」が、そのためのデザインになっていた。
 それほど押し付けがましくなく、それでいて楽しさも伝わってくる上品な「青缶」だと思った。だから、使い終わった後も、まだ捨てられないままで、写真に撮った。
 
 もし、今年もクリスマスバージョンがあったら、冬だからニベアの消費量は増えているから買うことになるだろうし、もしも、違うデザインになったらうれしいし、2パターンあったら、どちらも買うと思う。

 全部、「もし」で申し訳ないのだけど、さらに違う季節の異なったバージョンも見てみたい気持ちはあるが、それで値段が上がったら、という勝手な不安もわいてくる。それでも、もし、そうなったら、それも、発売されるたびに買うと思う。




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おちまこと
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