テレビについて(69)仲里依紗の発言で変わりそうなこと------「ワイドハイターCM」
テレビをぼんやり見ていると、CMが目に入ってくることがある。
録画していると、どうしてもCMを飛ばしてしまうから、生というか、ライブで見ているときの方が、CMを見る機会が多い。
そこには、安直な表現だけど、現在「売れっ子」と言われる人たちが出演して、しかも、元気な姿を見せている。仲里依紗も、そのうちの一人で、ドラマで見て、すごいと思ったことも少なくなが、コマーシャルの時も、ふと見ていたら、「ワイドハイター」のCMで「濃いい緑のワイドハイタープロ」と叫んでいるように聞こえた。
これで、「濃い」と「濃いい」のバランスが少し変わるかもしれない、と思った。
「濃い」と、「濃いい」
元々、「濃い」が多く使われてきて、「濃いい」は、それに比べたら、歴史が浅い感じがしていた。
だが、それは、関東に住む人間の印象のようだった。
この「weblo辞書」によると、「濃いい」は大阪弁ということだ。
「濃い」は、その語幹が「こ」だけであって、だから、「濃い」を語幹として、「濃いい」になった、という理由のようだ。
だから、「濃い」の方が、標準語の世界では、正しいということになりそうだ。
濃いめ
ただ、語幹が「濃い」の「濃」であるのならば、そして「濃い」が正しいということになるならば、「濃いめ」ではなく「濃め」が正解になるのでは、と思える。
ただ、そのことについても、すでに語論がされていた。
このあたりは、発音しやすい、ということと関係しているし、何しろ、多く使われているかどうかも影響している。
だから、「濃い」や「濃いい」は、元々、複雑な背景を持つ言葉だった。
字幕の配慮
仲里依紗のプロフィールを見ると、長崎県出身だったので、CMで「濃いい」と叫んでいるように見えるのは、方言ではないかと納得がいった。
ただ、2024年時点で、、知識人、芸能人、アスリート、実業家、アーティストなどを含めても、仲里依紗の説得力はかなり上位(総合ベスト10くらい)に入っていると感じているので、もしかしたら、これで「濃いい」は方言かもしれないけれど、もっと多数の人が日常的に使用することになれば、「濃い」も「濃いい」もどちらも正しい、といった流れにつながるかもしれない、などと思っていた。
一応、このCMの動画を見つけて再生し、改めて見た。
すると、こうした動画には字幕がついていて、そこには「濃いい」ではなくて「濃い〜緑のワイドハイタープロ」と書いてあった。
耳で聞いていると、「濃いい」に聞こえるかもしれませんが、全国で放送されているCMである以上「濃い」を使っています。ただ、「濃い〜」と語尾を伸ばしていますので、「濃いい」と聞こえる可能性はあります。ただ、基本的には「正しい」表記とされる「濃い」と表現しています。
そんな配慮のようなものが、この短い字幕に込められているように思った。
なんだか、すごい。
(他にも、テレビについて、いろいろと書いています↓。もし、よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。
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