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3LA Interview

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「人生、経験、感情、美しい瞬間と辛い瞬間、弱さ、砕け散った夢と再建された夢、不在、喪失」 Interview with Chivàla|2024

「人生、経験、感情、美しい瞬間と辛い瞬間、弱さ、砕け散った夢と再建された夢、不在、喪失」 Interview with Chivàla|2024

2017年から活動を続けるイタリアのChivàlaがフルアルバムのリリースした。このインタビューはまだ日本ではほぼ知られていない彼らのこと、もって知った上でアルバムを聴いたほうが絶対良いだろうと思い、アルバムの内容より彼らのバックグラウンドや考え方、活動について焦点を当てたインタビューになっています。2024年末にリリースされるアルバムを是非楽しみにしていてください。

「このジャンルの正統的な要

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「私たちの過去は、私たちが望むアートを創り出すことにつながっている。」 Interview with RESPIRE (2024)

「私たちの過去は、私たちが望むアートを創り出すことにつながっている。」 Interview with RESPIRE (2024)

3LAからリリースしたカナダのRespireの『Hiraeth / 失われた郷愁』は素晴らしい作品だが、今までRespireについては日本語でのインタビュー記事が存在していませんでした。彼らの前作『Black Line』は多くのメディアに取り上げられ日本でのバンドの知名度向上に貢献しましたが、最新作のサウンドはそれとはまた別のものになっています。このインタビューではこの機会を期に日本のリスナーが少

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「ハードコアは40人の前で演奏されるために作られた音楽」 Interview with TENUE (2024)

「ハードコアは40人の前で演奏されるために作られた音楽」 Interview with TENUE (2024)

最新作「Arcos b​o​vedas po​rticos / 弓​形​ ​穹​窿​ ​柱​廊」はネオクラストバンドだと思われていたTENUEへの期待を意外な形で裏切りながら、リスナーへ新しい音楽を紹介した素晴らしい作品だった。今回は1曲30分の大作であった前作『Territorios』から本作の間に起きた変化にフォーカスしつつ、その変化を生み出せるバンドが何を考えているかを聞いたものになります。

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「バンドを始めなさい。ツアーに出なさい。友人を愛し、そして笑って死ね。」 Interview with BASQUE (2024)

「バンドを始めなさい。ツアーに出なさい。友人を愛し、そして笑って死ね。」 Interview with BASQUE (2024)

このインタビューは3LAでもCDをリリースすることになったカナダのBASQUEへのメールインタビューになります。最初のプレス枚数はすぐに売り切れてしまったが、遂に2ndプレスされたCDが日本国内に到着しています。前回のタイミングでは聞けなかったことをバンドに聞いてみました。

「僕らが 「典型的な」スクリーモ・バンドだと言うのは間違っていると思う。」

Q1:
まず聞いてみたいのはBASQUEとい

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Interview with Habak 「人間や帝国が作ることのできるシステムは、ここに集まるすべての共同体の生き残ろうとする衝動を封じ込めることはできない」

Interview with Habak 「人間や帝国が作ることのできるシステムは、ここに集まるすべての共同体の生き残ろうとする衝動を封じ込めることはできない」

初の日本国内盤CDをリリースするメキシコのHabakへのインタビューを行いました。しかしこのインタビューであまりに深いところまでいこうとは思わない。それぞれが作品の内容を受け止めて深く理解しようとしていけばより多くのものを得られると思う。このインタビューはそんなヘヴィリスナーの助けとなるヒントでしかないと思う。ただひとつ言えることは、彼らは本気だし、メキシコに生きることっていう自分達がなかなか想像

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Interview with Kazu (from SeeK)

Interview with Kazu (from SeeK)

2023年に傑作アルバム『故郷で死ぬ男』を完成させた大阪SeeK、11/4のSWARRRM『焦がせ』レコ発にて東京での年内最後のライブを行う。ライブが迫る中、本作アルバムのサウンドの肝となるギタリストKazuへの初インタビューを行いました。

3LA : おつかれさまです!どうですか!

Kazu : 2023年7月のSo Hideous(US)とのジャパンツアーが終わってからずっと忙しかったです

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Interview with sasa(HAERERE) & 富永(herside)

Interview with sasa(HAERERE) & 富永(herside)

2023年8月5日に東京、新宿のNINESPICESにてスプリットリリースレコ発を行う北九州のHAERERE、hersideからsasa、富永を迎えてのインタビューという名の雑談を行いました。彼らの持っている感覚は現代日本から消え去ってしまいそうな「ローカル感」そのもの… 消えていく感覚を掴んで表現していくのがエモ。この雑談が何を生み出すのかわかりませんが、レコ発ライブは是非来てください! (詳細

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「僕たちはスクリーモを "アップデート" しようとはしていない」 Interview with MASSA NERA

「僕たちはスクリーモを "アップデート" しようとはしていない」 Interview with MASSA NERA

Massa Neraの新しいアルバムは素晴らしい内容だった。リリース前、彼らから直接のコンタクトを貰い、そのメールに記載されていたsoundcloudのURLでリリースの一足先に聞かせてもらっていた。この作品はこれまでのMassa Neraが発表してきたハードコアサウンドの追求の結果であり、そして新たな領域を踏み出しているような、そんな刺激的な感覚を覚えた。彼らからオファーを受けて実現したこのイン

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「この写真集を出すことが出来て、やっと自分はゴミじゃないって思えた」 Interview with yuma kikui (写真家)

「この写真集を出すことが出来て、やっと自分はゴミじゃないって思えた」 Interview with yuma kikui (写真家)

SNSの時代に加速するスマホの進化によりライブシーンにおけるオーディエンスの楽しみ方は大きく姿を変化した。twitter, Instagram, TikTok… 個々がリアルタイムでアップロードする無数の写真がタイムラインを埋め尽くす。そして流れていく。そんな時代に逆行するかのようにフィジカルの写真集を個人で刊行することになった関西パンクシーンに暗躍する写真家yuma kikui(aka ゆまっち

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「みんなで作っているという意識があるから、出来上がった時の感動が大きいんじゃないかな」 Interview with yarmulke

「みんなで作っているという意識があるから、出来上がった時の感動が大きいんじゃないかな」 Interview with yarmulke

2000年代を駆け抜けた京都の激情ハードコア(Screamo)、yarmulkeのコンプリートディスコグラフィをリリースする上でかならずやりたいと思っていたのが、彼らの音楽の礎となった背景を探ること。今改めてyarmulkeを聴いているリスナーも、彼らの音が簡単に生み出せるものではないということは気付いてもらえていると思います。今現在の世界的な2000年代Screamo再評価の動き、その背景にある

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「Screamoにはこの音楽ジャンルにしか見出せない純粋で自由な正直さがある」Interview with MEO(from Italy)

「Screamoにはこの音楽ジャンルにしか見出せない純粋で自由な正直さがある」Interview with MEO(from Italy)

「お前はもう死んでいる」
西暦199X年、世界は核の炎に包まれた。かつて北斗の拳で描かれた夢も希望もない暴力が支配する弱肉強食の世界は、創作とは違った形でリアルとなり現実に侵食している。イタリア、トリノのMEO(メオ)はそんな現代の戦争の時代に生み落とされた2020年代のScreamoである。2000年代に多くの名盤を作り出したバンドたちがいたが、彼らもまたその文脈を受け継ぎながら、しかし激情ハー

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SPOILMAN 1stアルバム「BODY」リリース記念インタビュー

SPOILMAN 1stアルバム「BODY」リリース記念インタビュー

SPOILMANの1stアルバム『BODY』がsassya-等をリリースしているレーベル、Kerosene Recordsからリリースされる。このバンドは3LAでは一度音源つきのZINEをディストロしたのみでほとんどの人は知らないバンドだと思う。90’sのオルタナ/グランジを経由しつつもナンバガ系には走らなかった男達の奏でる音は何かが狂っている。革命を起こす野心は一切感じないけれどここには何かがあ

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Interview with 帯化

Interview with 帯化

謎の音源、反社会的なジャケットワークによるカセット、そして"石"の音源を送りつけてきたのがこの帯化というバンド。その音はサイケデリック、フォーク、トライバル的要素を混ぜ合わせたカオスだが、音源のフォーマットそしてZINEにもこだわりのような思考が詰め込まれている。そもそもなぜ石なのか。3LAとしては異色の音のバンドだったがそのインタビューの内容も少々異色なものになりました。音を聞いて「批判性のある

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