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【考察】「ナポリタン日本一の街」八王子の未来:宇都宮市の成功例から学ぶエリアブランディング

前書き

2014年に立ち上げた「ナポリタン日本一の街・八王子」プロジェクト

この挑戦は、単なるご当地グルメ作りではなく、街を活気づけ、観光客を呼び込み、地域を盛り上げるための戦略です。

そんな八王子の挑戦は、すでに「餃子の街」として成功を収めた宇都宮市の取り組みから多くを学ぶことができます。
※今までの活動『八王子ナポリタン物語マガジン』

宇都宮市の「餃子の街」戦略とは?

宇都宮市は、かつてドライブで日光や鬼怒川温泉へ向かう観光客が、他の街同様に、ただただ通り過ぎるだけの街でした。

しかし総務省の家計調査による「餃子の消費量日本一」というデータに目をつけた観光課が、町おこしのアイデアを打ち出すと、その状況は一変しました。

当初は「餃子で町おこしなんて…」と反対意見もありましたが、熱心な担当者が飲食店を巻き込み、「宇都宮餃子会」を結成!
駅前には「餃子像」が設置され、観光客の写真スポットとして人気を集めました。

この「餃子の街」というブランディングは、人々の好奇心をくすぐり、日光や鬼怒川を目的とする観光客に「せっかくだし、宇都宮に寄り道して餃子でも食べて帰ろう」という動機を与えたのです。

また、市内の「来らっせ」というテーマ館では、21店舗の餃子を一度に楽しめる場所を提供。
食べ歩きを目的に、多くの観光客が宇都宮を訪れるようになりました。

結果として、2021年には宇都宮市を訪れた観光客は1,400万人を超え、日光市を上回る栃木県内トップの観光地に成長しました。

AIによるイメージイラスト

八王子市の挑戦:登山客を街へ引き込む戦略

一方、八王子市も同じように世界一の登山客数を誇る高尾山という大きな観光資源を持ちながら、登山後に市街地へ立ち寄る人が少ない、観光資源の有効活用不足という課題を抱えています。

八王子市の目標は、登山客に「高尾山の後は市街地でナポリタンを食べていこう!」と思わせ、市街地の活性化につなげることです。

そのために誕生したのが「八王子ナポリタン」です。

八王子ナポリタンのルールと意味

八王子ナポリタンには、次の3つのルールが設けられています

1. 刻み玉ねぎをトッピング
八王子ラーメンの特徴を引き継ぎ、地域の伝統を反映。
2. 八王子産の食材を使用
地元の農家を支援し、地産地消を推進。
3. 八王子に由来する要素を取り入れる
地元の風土や文化を大切にしたメニューづくり。

これらのルールは、ただの決まりではありません。

刻み玉ねぎや地元産の食材を使うことで、地域の魅力を伝え、八王子ナポリタンを「街の誇り」「街のストーリー」に育てていく狙いがあります。

学校給食で育む「10年後のソウルフード」

こうした無駄に熱い思いを込めて誕生した「八王子ナポリタン」

これを学校給食に取り入れることで、子どもたちが日常的に親しむ環境を作りました。

日常の給食で親しんだ子どもたちが成長し、大人になった10年後には、「八王子といえばナポリタン」と自然に認識する世代が誕生するでしょう。

これは、未来の地域ファンを育てる「究極のファンマーケティング」ともいえます。

AIによるイメージイラスト

八王子ナポリタンがもたらす未来

もし八王子ナポリタンプロジェクトが成功すれば、登山後の観光客が「せっかくナポリタン日本一の街に来たのだから、八王子の街中でナポリタンを食べてから帰ろう」「むしろ食べて帰らないと損じゃない?」という発想になり、現状よりも積極的に、市街地へと向かうようになります。

その結果、市街地の飲食店がにぎわい、おのずと商店街や地元経済が活性化します。

さらに、学校給食で育った子どもたちが大人になる頃には、八王子ナポリタンは「地域の誇り」として根付き、他の地域からも訪れる人が増えるでしょう。

AIによるイメージイラスト

最後に…

私は今、「ナポリタン日本一の街」づくりの経験を活かして、三軒茶屋を「本格焼酎の楽園 三軒酎屋」にする挑戦を続けています。

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