病院設計に大きな影響を与える放射線治療器(リニアック・サイクロトロン)
Written by 病院建築note@医療機器出身のゼネコン社員
■このテーマを書こうと思った理由
ゼネコンで病院建築営業するようになって、前職では接点のなかった医療機器メーカーの方々とお会いしました。
その中で放射線治療器(リニアック・サイクロトロン)が病院設計に大きな影響を与えること知ったからです。
この装置が入るかどうかで病院の設計大きく変わります。
特に改修や増築の場合は、病院の稼働と並行して進めないといけないので仮設計画も複雑です。
前職では自分の専門領域や訪問する場所(手術室や外来)が決まっていましたが、ゼネコンでは病院という大きな箱自体を作るので病院全体に関わります。
そのなかで、リニアックやサイクロトロンといった放射線治療装置を知りました。
この装置はがん治療に対して非常に有効なのですが、装置自体がとでも大きく導入には建物の設計から考える必要があったり、必要電圧が高いので特別な設備も必要です。
また放射線の威力が強いので、コンクリートで1~3M程度の遮蔽壁を設ける必要もあります。
もちろん私が担当していた手術用内視鏡も手術室の設計に影響を与えますが、放射線治療器は導入する前提の設計ないと設置できないので、病院設計に与える影響が非常に大きいです。
放射線治療器に関しては知見がなかったため、この機会に調べてみました。
■放射線治療器とは
放射線治療はリニアックによるエックス線、ガンマ線治療、サイクロトロンによる粒子線(重粒子線・陽子線)治療があります。
エックス線、ガンマ線の治療のほとんどは保険適用されている一方で、粒子線治療は自由診療となっています。そのため粒子線治療ができる施設は全国に15施設しかありません。
放射線治療をしている施設は全国に約840施設あるのでかなり限定されることがわかります。
自由診療ではあるものの、粒子線治療はこれまでの放射線治療と比べて正常な細胞を傷つける程度が軽く、副作用が少なくすむ場合が多いなど有効性があるそうです。
引き続き調べてみます。
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