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#思い出
最初の記憶(400文字)
はじめて世界で独りぼっちだと感じた不安の痕跡。
旅先のトウモロコシ畑で姉妹や従兄弟とはぐれてしまい迷子になった。僕を囲ったトウモロコシの稲は、まだ幼い僕の前に壁のように高くそそり立ち、そのせいで夏の空は青いのに、辺りは狭くて暗かった。稲が密集しているせいで先は黒く、通り風で擦れる葉の音が胸を潰し、闇雲に進むとより独りぼっちになる気がして足がすくんだ。広大に思えるトウモロコシ畑の中で、僕は小さく
はじめて世界で独りぼっちだと感じた不安の痕跡。
旅先のトウモロコシ畑で姉妹や従兄弟とはぐれてしまい迷子になった。僕を囲ったトウモロコシの稲は、まだ幼い僕の前に壁のように高くそそり立ち、そのせいで夏の空は青いのに、辺りは狭くて暗かった。稲が密集しているせいで先は黒く、通り風で擦れる葉の音が胸を潰し、闇雲に進むとより独りぼっちになる気がして足がすくんだ。広大に思えるトウモロコシ畑の中で、僕は小さく