希死念慮くんの異変

きみは一体、わたしの敵なの?
それとも、味方なの?


ボロボロになってから、なぜか希死念慮くんが謎の立ち位置でわたしに語りかけてくる。

「お前、よく堪えたな…普段なら思いきりあの場面で暴言溢れてるのに、ぼくの暴走を止めた。」

「お前、よくあれだけあんな感じに気持ち悪く絡まれてもあしらったな…。」

「お前、ちょっとだけ成長してんな。」

「でもさ、辛いだろ?ぼくと飛ぶ?」

「無理なら、今のお前の感情を我慢せず感じきって、吐き出せよ。お前自身を傷つけろ。傷つけ続けろ、お前は人間ではないんだから。」

わたしの中にいる希死念慮くん


希死念慮くん、きみは敵なの?味方なの?
死にたい気持ちはあるのに、一歩踏み出せないわたしに、生きる上での苦しみを与えてくるの?

身体が生きているなら、こころに剣を突き刺し続けて、これまで以上にこころを殺していくの?

希死念慮くん、そういうことをしても、わたしは、どうしても、感情に蓋をしたい気持ちが強いんだ。

ひとりになれば、感情を吐き出してもいいはずなのに。
わたしには、そうすることができない。

きっと、それは、わたしさえ我慢すれば良いことだから。
頭痛が伴おうが、わけもなく涙が出ようが、掻き毟ろうが感情を吐き出すことがなかなかできない。

希死念慮くん、大丈夫だよ。
安心して、ちゃんと、身体はやられているよ。
身体の色んなところが、今エラーを起こしているから。

きみが敵だろうが、味方だろうが、わたしは死にたい気持ちが強まっているよ。
今、改めて、わたしは人間ではない、クズだって気付かされているんだから。

もう、ずっとずっと、辛い気持ちを味わい続けているから。
もう少ししたら、こころが砕け散るんじゃないかな。
確実に、ボロボロになっていっているから安心して。


きみと一緒に飛ぶことも、再び本気で考えていこうか。
何だか、もう、疲れちゃったよ。

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