ユメマチ
待ちに待った一年に一回の八戸ブックフェスの日。
充実した日になった。
それは偶然的に集まって動いた鼓動
偶然的だと思っていたが、必然的に会うべくしてあった。
というような。
不思議な塊の日。
去年参加し八戸市民の本に向かうガチな姿勢に圧倒され楽しかったのを覚えている。
他県からの書店一同も集まり、八戸から他県への発信も忘れない、のもいい。
今年は二日間の開催。
めちゃくちゃ楽しみ。
午後14:00頃からスタートする。
🦯🦯🦯
それまで、僕は初めて参加のボランティア。”白マドの灯り”自主映画上映団体の集まりに興味があり午前中に参加した。
この”白マドの灯り”に興味があったのは、まさかのゲリラ上映。(2024年7月5日)
八戸市美術館の白壁にオードリーヘップバーンの「ローマの休日」が映し出され呆気にとられ、そして感動したからだ。
誰もが予想もしない、突然のヘップバーンの登場。それもデカい!
「今時、こんなことをする人がいたんだ!かっこいい!」
夢のような出来事を現実にしてくれた。それが”白マド軍団”だった。
アンテナはそれから張っていた。
街角ミュージアムという場所で単館系の映画も上映していると言う。
試しにいってみた。
出会い、とは計算されている?
とたまに思うことがある。街角ミュージアムに行ったら、いつぞやの南郷ジャスフェス時にボランティアをした時の知り合いがいた。
すぐに色んな話をして、”白マド軍団”のお手伝いをしてみたい。と打診してしまった。
そんな”出会い”が今日の集会に繋がった。
たまに思う。”生きていれば、まだまだ素晴らしい出会いがある”と。
ふだんの生活に追われると気づかないもの。実際、こんな素晴らしい出会いがあるのだ。
白マド軍団の集会は、ガチだった。
やっぱりな。あれだけのゲリラ上映を実行してしまうぐらいの集団だ。頭の中が”夢”の塊だ。
”夢”とは”夢物語”ではなく、”叶う”から素晴らしいんだ!そんな”夢”のような出来事をつくっちゃう神様の様な人達の集まりだった。
”ここ”にいたら叶わない”夢”も現実になりそう。そんな気がした。
まだ1回目の集まりだ。
僕は萎縮し、彼らの言う言葉をただ反芻し、後をついていくので精一杯の子供のような時間を過ごして2時間後には集会は終わった。
夢を叶える翼を持ったエンジェル。
僕にもいつか翼が生えたらいいな。
📖📖📖
さぁ。
そして本題の”八戸ブックフェス2024”へ。
ちょうど良い時間になっていた。
真っ先に駆け込むブースがある。が、気になるものばかりで、なかなかそこにたどり着けない。
マチニワ入り口にあるブックBUSにある「森の生活 H.Dソロー」などアウトドア作品メインのコーナーで立ち往生30分‥ではじまり、
去年”その場所”にあったはずのお目当てのブースが今回は”その場所”に無く、そこには「よはく舎」という東京から来た本屋さんのブースが。
サラッと見るつもりが、これまたセンスの良い本ばかり‥。僕はフェスでは新刊を買わないことにしている。お金がもたない、からだ。
でも、余白‥いや、「よはく舎」さんのセンスはよかった。選書は”やさしくて うつくしいものを”というほど、あり正にそんな感じ。
そこに置いてあった『海賊忍者』は面白かった。が買わない。僕の今回のフェスは中古本を目一杯買うというミッションだから。
「よはく舎」で20分、その隣の「スノーショベリング」で10分が経過した。
「スノーショベリング」は東京の世田谷区にあるジャンルレスを売りにしている本屋。
この日は茶封筒にタイトルだけ書いてあって、中身は開けてお楽しみ。
みたいな趣向で本を売っていた。「おもしれーえ」と興奮。(今思えばかっとけばよかった)。
次の日に思った。1日目と2日目はブースが変わる。これは今回二日間が初!だから気付かなかった。「明日、また来よう」はNGだった。
2日目には「スノーショベリング」さんは十和田市の本屋さん「旅空間」さんに変わっていた。
「よはく舎」さんもブースを縮小していた。
あそこも見たい
ここも見たい、気持ちを押し殺してお目当ての「1pontan(アンポンタン)」さんへ。
今年は”はっち”のブース9番、獅子舞時計の目の前にあった。
ちょうどそのタイミングで姉と合流し、兄弟でアンポンタン島へ上陸。
今年の選書を物色。
「うーむ。やはりね。どれもそそる。」
店主のセンス。かわいい。
装丁も文面もかわいい本が揃う。迷う。。
迷うが、後ろから、横から、僕じゃない手が伸びてくる。
僕が買おうと数冊まとめて横に置いたものでさえ、”横の手”が、手に取りペラペラと品定めされる。
ウカウカしてはいられないのだ。
姉も気に入った本があり、店主とベラベラと話が盛り上がっている。
姉:「この本のタイトル。正に今の私の気持ちそのものだわ!」
なんてこと言っている。
こちとらだって、店主と話したい!が、”横の手”との争いはしぶとく続いているのだ。”必死”。会話はあとだ。
姉は三兄弟イチの本好きだ。
川の字で寝ていた幼い頃も、寝落ち直前まで一枚一枚が厚いアンデルセン童話集?綺麗すぎる絵がついた重い本を毎日読んでいた。
回想にふける時間は無い。
たたかいは続いている。
下段に置いてある絵本が”横の手一味”に奪われていく。
「しまった、⤵︎」
絵本をチェックするのを後回しにしていた。
ここは絵本もいい。
よだれを垂らすように、”横の手一味”が手にした絵本を会計が済むまで表紙を拝む。
うむ。さすが”横の手”!それ!どう見ても”面白いやつ”だ。
値段を見る。「300円!」「400円!」まじっ?
店主のかわいい字で書いてある。
ホイホイ僕も買っていく。
「ん?」なんと、”1pontan(アンポンタン)”店主の刊行した冊子もある!
部屋に飾れそうな漣の絵の冊子。これ買いだ。おもしれぇ。そして、
去年もチェックしたコケシのしおり🔖。去年買わないで後悔したやつ。これは、計画的にゲット
しおりひとつで本も楽しくなるよね。
姉は猫好きのカーチャンに、猫のイラストと文でまとまった可愛い本をお土産に買っていた。
「うん。それはハズレない」
絶対カーチャン気にいる。
僕ら子供組は、カーチャンの好みを万事一挙で当選確実👍
マジ!時間ないよ!
姉の言葉に驚く。
「そうだった!15:00からトークイベント”名著に触れるということ”がはじまるんだった。」
本日のメインイベントを逃す訳にはいかない。
あー
あれもみたい
これもみたい。
収拾がつかない。こりゃ正に「アンポンタン〜」だ。
無事間に合い。
姉と参加。
姉はこのイベントの為に約2時間かけて八戸へやってきた。
「八戸って本に対する姿勢めっちゃいいね!こんな豪華なトークイベントも無料って!信じられないよ」
と言った。
近くにありすぎて僕の感覚は麻痺していた。
「そうだよな。本好きを増やす。本の読み手を増やす。本の書き手を増やす。それが根本たる八戸のテーマだった。」
姉や県外の人。そう。八戸の外に住む人たちから良くこういった話が出る。
”八戸のブックセンターっていいよな!羨ましいよ”って‥
トークイベントで書き取ったメモを見返す。
ほんといい事言う。
//質問コーナー//
姉:「せっかくだから質問してみようよ(横でツンツンしてくる)」
弟:「あっ、ああ‥、(マジ?)」
ふと、時間おしてるけど、質問していいのかな?と時計を見る。(おっ。あと2分で100分だ!)
ピカーン!と質問が閃いた。勢いで手を挙げる僕。ハンズアップ!ハンズアップ!
目がマジだったんだろう。見事にあたった。
真横で姉が面白そうにしている。
めっちゃ遠くから司会の人がマイクを持って走ってきてくれた。(すまぬ。遠い席の質問者で。)
トークイベントがはじまってジャスト100分だった。
緊張で声が震える、
「八戸市の〇〇です。トークイベントがはじまって今ちょうど100分ですが、”100分de名著”の番組はなぜ100分なのですか?」
と質問した。ちょっと周りから笑いがでた。嬉しかった。めっちゃ声が出なかった。弱々しい声で質問した。
質問したくせに、その質問にしっかり答える大物ふたりの”圧”で頭は真っ白になり、僕の手はずっと震えていた。
そして、答えも感動した。
100という数字はあって無いカウントなんです。
例えばここにあるこの本。
この本も丁度100ページあります。
25分できれば四つ。で区切りがいい。とかありますけど、答えは”無い”です。
僕が先ほど紹介した本「モモ」もそうですが、巡り合わせのようなものです。
”なるようになった”
そんな感じです。
これをつくるうえで皆んなと色々協議しました。
結果理由という理由はなく、
”生まれるべきして生まれた”番組になりました。
人との巡り合わせのようでもあります。
会うべくしてあった。
それは最初からわかっていたかのようにね。
と。
最高だった。
トーク番組の余韻をもちだして、僕は本好きな姉を”八戸ブックセンター”へ連れていき、無理くり作家登録させた。
姉はナンバー340。
僕はナンバー314。わかりやすい。4番繋がりだ。
本は読むのもいいけど、書くとなお、面白く深くなる。言葉の意味や使い方もそうだけど、何より自分の感覚(みている世界)を文章で、人に伝える喜びが半端ない。
それは自分が生きている証でもある。
僕はここに今いて、こんなことをおもっている。
たったそれだけを文章に書くだけで喜びに溢れるのだから。
今じゃ効率よくパソコンで文章を打つ時代かも知れない。しかし、これをもし、自分の筆跡で書くとなればなお、素晴らしさは計り知れない。と思う。ストーリーのクライマックス。
その場面を滑らす筆の留めは?払いは?
その著者ひとりがもたらす”字”のダンスだ。
もはや、ストーリーだけの抑揚だげじゃない。書いている著者自身がストーリーの一部分に呑まれている。
カンズメブースを出ると、先ほどトークイベントをしたふたりが目の前にいた。
収録後の顔はさっきと変わらない。
朱さんはビール
秋満さんは麦茶?
ふたりでグビっと、この八戸ブックセンター”特集コーナー”を見つめていた。
主役ふたりの本づくしを。
姉弟は見た。
その自分たちの特集コーナーに立つふたりのカッコよさを。
家政婦は見た。のように、壁からそっと顔だけを出して。
zZzZz
vol.2 八戸ブックフェス2日目につづく