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24M Vol.9 "東東京で働く人、住む人でつくるWEBメディア"

=ABOUT 24M=

"24M”について

『24M』は ” 東東京で働く人、住む人でつくるWEBメディア” として誕生しました。
記事の内容は、書く人が日々感じていること、興味のあるものを本人の主観で紹介するというものになっています。  
私たちの『24M』が綴る東東京をぜひご覧ください。


=ENJOY YOUR MEAL=

ー「五千」のお粥で、朝ごはんー

御徒町駅から徒歩1、2分 中央通りから1本入ったところにあるお粥専門店「五千」さん。

朝9:00から空いているのがとても嬉しい。 最近寒くなってきたので、おかゆの暖かさは本当に身に染みる。

お粥セットと点心セット、お粥・点心セットから選べお粥のトッピングは10種類のなかから2種選び自分好みのお粥を注文できる。 お粥の大きさも選べるので、どんな人にもちょうどいいを提供できるお店だ。

私はお粥・点心セット(お粥小)を注文した。 お粥だけでも美味しい味付けにアクセント、具材もゴロゴロして満足の一杯だ。  特に私が気に入ったのは点心のかぼちゃ饅だ。やさしい甘さがとても私好みだ。

女性の店長さんは声が明るく、笑顔の素敵な方だった。 冬の上野で心も体も温まるお店を見つけてしまった。 (文 : 柿沼和也)



ー久しぶりの御徒町の宝亭ランチー

父が営んでいた眼鏡屋の目と鼻の先にある宝亭は、1950年代からある老舗の洋食屋さん。

前に伺ったのはいつだろうか。
たぶん、20年くらいは経っているかも。
 
幼い時、親が共働きだったので、夏休みなどに、ちょこちょこ僕は父の職場に行って、メガネ部品の買い出しを頼まれたりと、少し仕事を手つだったりしていた。

そんな時に父がたまに昼食で連れていってくれたお店である。

子供の時、お勘定を自分で払ったこともなかったので、久しぶりに来て、宝亭のランチには改めて驚かされた。

「おお、950円で、この内容とボリュームか!!」と心の中で思った。

食べると、「ああ、この感じだった」と思い出した。
美味しいのはもちろんだが、やっぱり僕にとっては懐かしい。

そういえば、幼い時に通ったこの辺にあった店は、ほとんどなくなってしまった。
この近くにあった黒い汁のおでんといなり寿司のお店も思い出す。
あそこの濃い色のいなり寿司も美味しかった。

昔のことを思い出すと、改めて繁華街でなく、半世紀以上も続けている宝亭の存在は当時の街並みを知っている者にとっては希少な存在だと感じた。

久しぶりに伺ったが、宝亭のマスターは元気そうで、本当に良かった。
ずっと元気でやってほしいと心から思う。

上野、御徒町に来たら、宝亭にぜひ寄ってみてください。
名物のエビフライ、それに味噌汁に入っている三つ葉がいいんですよ(笑)。 (文 : 荒岡敬)



ー究極な「居酒(飲酒)」を たのしむ店 シンスケー


・寒露 かんろ
秋の長雨が落ち着き、本格的に秋が深まりはじめる時候
(シンスケ メニュー 季節の言葉 より)

訪問は、10月22日 穏やかな秋の日。

平松洋子さん(フードエッセイスト) の様に。
夜が更ける前 のはやい時間から、
老舗の酒場 で 恋人や友人 と
待ち合わせ をし、
季節や天候に合わせた酒や肴 を嗜む、
大人になりたい を、叶えた日。

グリーンが美しい、ハートランド と したし豆(シンスケの定番)

四代目店主 矢部さん が、シンスケ に 新しい風を、と提案した 瓶ビールメニューの変更についてのエピソード。

きっかけは、2003年 酒類販売免許の自由化(コンビニなどでも酒類販売できる) により、瓶ビールの販売激減、宅飲みは 缶ビールが主流 になった とのこと。 そんな時代の到来に、宅飲みと外飲みを分けて考え、外飲みならではの価値として 缶売りのない瓶ビール(ハートランド)を選ぶことにしたそう。

外飲みの特別さをユーモアのある切り口で提案している、素敵なお話。より、ハートランド が 美味しい。

天草タイうす造り
ビール × 刺身 の相性を良くするため、すりおろしきゅうり を添えて

お刺身 の エピソード。

酒場で初めに頼むもの ビール × 刺身
の当たり前に対して、ペアリングの美味しさ が 伴っていない問題。

店主さん曰く、それは わさび にある説。
けれど欠かせないわさび の 香りも生かしつつ、辛さ を 和らげる のによいものがないかと、探し見つけたものが きゅうり だったそう。
それを、すりおろす てのも 新しくて 面白い 肴の提案。

因みに で お話しされていた。
マグロ や カツオ は カラシ と食べると
格段とビール に合うんだそう。
ぜひとも今度 飲ってみたい

子持ちアユの山椒炊き
今年は子持ちアユの脂がいい感じ。だそう
サクッと焼いて、炊いて、
子持ち魚の一番美味しい食べ方。
山椒のフレッシュ感 も、合う

きつねラクレット(シンスケの定番)
焼きおあげ in 濃厚チーズ with あんずジャム

両関 本醸造 辛口 ぬる燗
注文した肴 の 残り具合 をみて
酒はおすすめ の 温度 で。

シンスケ風ポテトサラダ
きゅうりの漬物、生姜 でさっぱり
大人のポテサラ

いわし岩石揚げ
紫蘇の効いた いわしのつみれ揚げ
焦がし醤油の香りとも合う。

温にゅうめん
細く スッキリとした素麺
締めにぴったり

最後に いただいた 両関 純米酒 甘口 は、
店主さんの提案で、最初 半分は冷、
残り半分はお燗直し して 2種類の温度で
堪能させて いただきました。

「食事」と「酒」を天秤にかけるものでも
ないのですが、
わたしは「酒」を目の前にすると
どうしても、後者に重きを置くほど好きで。という趣味も相まり、
シンスケ の提案する 居酒の提案 は
虜にならざるを得ない 時間と空間で。

何事も、客観的に 見つめ直し、
大切なもの について考え、
それに肉付け をしていく作業 は、
生きてく上で欠かせないな。
なんて 思考も巡る 居酒体験。

ぜひ 次はまた、違う季節で
違うシンスケ と 出逢いたく思います。
いい酒場は いつだって いい ですね。

(文 : 藤巻由香)



=VINTAGE WATCH=

- 時を楽しみに、東京、上野へ -

多種多少な人種が行き来する喧騒・アメ横の中心から、わずか1分足らずの場所に、私が営むヴィンテージウォッチ(Vintage Watch)専門店「SELECT(セレクト)」はある。

1990年代のアメリカ古着ブームの中、ヴィンテージTOY、ミッドセンチュリー家具、雑貨やポスターなどに学生時代から興味を抱き、大学時代、就職活動中に知り合った、とある会社の社長さんがヴィンテージウォッチのコレクターだったことから、そのデザインやバックボーン等に惹かれていった。

そこで機械式時計(ゼンマイ式)や音叉式時計の仕組みに感動を覚え、それをきっかけに大学在学中からヴィンテージウォッチ専門店で働き始めた。

→続きはこちらから


=INTERVIEW=

Interview 03 -石坂莉帆さん-


24Mでは、東東京で活動されている魅力的な方をご紹介いたします。
今回は、東京藝術大学のデザイン科に通う石坂莉帆さんをインタビューさせて頂きました。
石坂さんには、私たちのメディア 24MのVol.8とVol.9のデザインを手掛けて頂きました。

これからが、すごく楽しみな石坂さんの記事をぜひご覧ください。
掲載記事はこちら




=LOCAL TOYS=

小さくて可愛いモノ〜民藝〜

一口に民藝といっても色々だ。

器に掃除道具、郷土玩具などなど…
そして私はこの郷土玩具というのが一等好きなのだ。

一見、雑に見えもするが、それがまた素朴さと愛らしさを共存させている気がする。

見つけると”これ以上モノを増やしてはいけない"と思いながらついつい買ってしまっている自分がいる。

だが、増え続ける理由は実は”購入"だけではない。

世の中には”頂き物"というカテゴリーが存在する。

自分で買っていないのに可愛いモノが我が家にやってくるのだ。

更にいうとこの”頂き物"には幾つかの種類がある。

誕生日などの”プレゼント”や旅行などの"お土産"。

その他にも色々あるだろうが、最近の私にはこれらとは違うジャンルで声がかかる。(おそらく年齢的に)

所謂、あなたにとっての不用品は私にとってのお宝ー的なアレだ。

『実家整理してるんだけど◯◯いる?』 『色々もらったんだけど見てみる?』と連絡をもらうと、私はいそいそと出掛けて行く。

『貴方がいらなければ捨てるだけだから』と言われ見せてもらうと、だいたい汚れている。 

というよりまぁまぁな姿になっている。

でも!でもである!

どんな姿でもその間から見え隠れする愛らしさ!

隠しきれない愛らしさ!

全てをもらい受けることは出来ないが、その中でも”これは!!”と思うモノを譲り受け修理する。

どうせ手入れするならと歴史も調べてみたりする。

それが思いのほか面白かったり楽しかったり。

そうやって手間暇かけた末、良い感じに仕上った時(当社比)は自画自賛ものなのである。

とまぁそういう理由から、我が家の民藝は購入を自制しても確実に増えるようになっている。

そんなこんなで自分なりに民藝を楽しんでいる私だが、最近思うことがある。

それは民藝の持つポテンシャルの高さだ。

古くても、また素人が手を加えてもなお変わらない愛らしさ。

民藝の持つ懐の深さとでもいうか、それがポテンシャルが高いと思う理由なのだけど、もっと何かあるのでは?とも思う。

それが何なのか、これから修理していく中で見つかればいいなと思うのだ。
(文:ひろの)



=SHOEMAKER=

浅草にあるRENDOさん

東東京を代表する街の一つ”浅草”。

雷門や浅草芸人の聖地浅草フランス座演芸場東洋館など観光名所として知られるが、実は世界に誇る靴職人の街でもあります。

下駄から西洋靴へ向かって行ったのは明治時代からで、日本の靴製造の歴史は東京から始まりました。

商いはもちろん身なりなど、新しいことを始めるには権力のある人物の許可が必要なため、西洋文化が広まった場所が東京であることは不思議ではありません。

そして、皮革製造に大量の水が必要だったこともあり、隅田川が流れる浅草や向島に靴工場が作られるようになりました。

このことから靴製造は地場産業と呼ばれることも。

そのような経緯がある浅草で、皆様にぜひご紹介させて頂きたいのがシューズブランド”RENDO”さん。

ディレクター吉見 鉄平さんにより2013年 浅草にアトリエ兼ショップを構えスタートされたブランドで、このアトリエ兼ショップという独特の空間は行った人にしかわからない最高の高揚感を与えてくれます。

ディレクター吉見さんはフリーランスのパターナーとして数多くの靴を手掛けてきた職人さん。

自ら”ラスト”と呼ばれる木型を削り、オリジナルの木型からパターンを作成されておりますが、この作業をされているまさにその場所アトリエがショップにもなっている。

つまり作っている本人がお客様のフィッティングをしています。

ピンとこない方には是非想像して頂きたい。

靴屋さんで買った靴が自分の足に合わなかった時、何が原因か、そもそも靴と足の相性を把握しているのか、店頭で教えてくれるのか、使っていくことで靴がどう変化していくのか理解してから購入したか。

この不安すべて、生み出した方に相談できる幸福と安心がこの浅草RENDOさんでは味わえます。

RENDOさんでは職人自らフィッティングすることで現在のお客様に適した足型、ラストを提供できているか、世代間で足の形状に変化は出ていないか、常に情報を収集し、変化が必要であれば修正を加える、オーダーで一人一人ラストを作成するようなビスポークではない、その日に持ち帰ってすぐに履くことのできる”既製靴で最高の靴”を目指す。この理念のもと職人により生み出されお客様への対応まで行っています。

この覚悟に私は惚れてしまいました。

RENDOさんの名前の由来は、「靴作りは木型だけでなく、パターンがあり、縫製があり、底つけがあり、そしてフィッテングを経て靴が誰かの足を支える。それは一人ではなく様々な連動から成り立っている」という考えから名付けられました。

さらに現在では、多くの方にご愛用頂き、自身も職人としてキャリアを積み、多くの情報が蓄積され、技術を磨いてきた練度も製品に影響しているとディレクター吉見さんは話します。

RENDOさんのこの連動と練度の一部に皆様もなって頂けたら、豊かな靴ライフを楽しめるはずです。
(文:拾い屋 しまふじ)




Editor in Chief
荒岡 敬(RUTTEN_)

Designer
石坂莉帆(@haaveg116

Editors
柿沼和也(Bock)
藤巻由香(honyarara coffee
杉田 英史(SELECT)
ひろの
拾い屋 しまふじ

photographer(interview page)
知念 直生


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