<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第一章・出会い‐ 第7話
見知らぬ国の王様 -3
「はあ……」
シンには、サム老人のはなしの内容をまだ聞き入れるだけのこころの準備がなかったので、
ともかくはサム老人のことばを聴きのがさないように、と、耳をそばだて、眉間の皺をふかくして、握りしめた拳にギュッと力をこめました。
「……シン、人間のこころのなかには、自分でも気づかないおおきなちからがはたらいているのです」
サム老人は、シンには見えない壁の奥のものをみつめるように、
「この二匹の龍は……もとはひとつで、
いっぽうの龍の掌には時