『源氏物語』(古文)を読んだときの覚え書き_第52帖『蜻蛉(かげろふ)』
第52帖『蜻蛉(かげろふ)』
巻名は巻末の歌から
「『これこそは、限りなき人のかしづき生ほしたてたまへる姫君。また、かばかりぞ多くはあるべき。あやしかりけることは、さる聖の御あたりに、山のふところより出で来たる人びとの、かたほなるはなかりけるこそ。この、はかなしや、軽々しや、など思ひなす人も、かやうのうち見るけしきは、いみじうこそをかしかりしか』
と、何事につけても、ただかの一つゆかりをぞ思ひ出でたまひける。」
(「この人(宮の君)こそは、高貴なお方が大切に慈しんだ姫君なの