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8月5日午後2時14分、美術室。2台の古い扇風機が、音を立てながら首を振っている。 気温は…
加奈子と少年とがジュースを手にニコニコとしている後ろで、綾は恐る恐るその様子を見つめて…
「まあいいや。どうやら学校の中に入ってきちゃったみたいだから、見つけたら連絡して」 「わ…
「何がほしい?」 自動販売機の前に立ち、加奈子が少年に尋ねる。身長120センチに満たない少…
加奈子はそんな少年の手を繋ぎ、廊下に出た。 自動販売機は美術室のある校舎の1階にある。…
「あれ、オバケじゃないの…?」 準備室の扉を強く閉めると、先ほどまでのクールな姉御肌は…
「ちょっと少年、そろそろ離れてくれるかな…」 加奈子は少年の両肩を掴み、少し力を入れてグググッと自分から少年を引き剥がした。数十センチほどの距離ができると、加奈子はその場にしゃがみ込み、少年と目線を合わせる。年齢は小学生1年生ぐらいだろうか。短髪の髪型で、白いTシャツに白い半ズボン、白い靴下に白いマジックテープの白いシューズを履いている。はしゃぐ年頃にそぐわない、真っ白なファッションだが、ある意味では美術室にふさわしい、コンセプチュアルなスタイルであるとも言える。
「どうしたのよ、一体!」 息を切らしながら追いついた綾がようやく追いつき、加奈子の肩を…
美術室の鍵をかけ、校舎から徒歩5分のところにあるコンビニエンスストアに二人で向かう。 …
それから3ヶ月が経つ。 敬語も「先輩」呼びもしなくなり、「加奈子」「綾ちゃん」と呼び合…
綾は自分の席につき、スマートフォンのタイマーを10分にセットする。スケッチブックと鉛筆を…
美術室で待っていたのは、元林から事情を聞いていた綾だった。 既読〘私、そんなこと言わ…
加奈子が野球部を辞めた理由、それは加奈子自身の喫煙である。 自業自得と言われるかもし…