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【短話】手のひらの小箱
手元に小さな箱がある。
縁には埃がついている。
払ってみてもキレイにならず。
布巾を濡らして拭ってみる。
包むよう全体を触って。
思った小さい感じ方。
内に隠れる大きさ。
強いとそれは潰れてしまう。
へしゃげたって出てこない。
悲しい気持ちだけが残るだろう。
だから私は閉じた手揺らし。
角打つ感触確かめる。
ここは落ち着く気持ちがあって。
心臓は身体の外に出せてしまうほど。
操れてしまう気持ち。
【短話】双子の流れ星
空に青空が広がっていた。歩いている私。流れる河。浮いていた。小さな石ころが。降っていた。小さな結晶が。それは、私の涙か。
学校からの帰り道。今日も、悪口言っちゃったなって歩く。言葉はもう元に戻らないのに、頭で何度も再生して、抹消された記憶を捏造してみる。違う、現実じゃない。理想ばかりの現実。でも、今歩いているこの道こそ、理想ばっかりで。
河のせせらぎ。スカートの裾が隠れる草っぱ。足首をこしょばせ、
【お話】2023年10月17日
打ち込んできた。
避けれたかどうか分からない。
接触感はない。
過ぎていく。
みてももう遅い。
遠くに行ってしまった。
追いかけても仕方がない。
踏ん張る。
振り返る。
戻った。
***
歩いていた。
鳴った。
自分だ。
無視した。
どうにでもなれ。
気張る。
遠くなった。
向こうだ。
渡った。
合わせた。
呆れる。
向こう見ず。
振り向く。
来ていた。
来た。
迫る。
通る。
向かった。
【短話】パイプの工事
地下のパイプを工事をしていると、地上の音がいろんな風に聞こえる。
ウォーウォー泣いているのは、人が歩いている音。
カーカーカラスの鳴き声みたいなのは、赤ちゃんの鳴き声。
クークー熊の寝息みたいなのは、電車が通り過ぎる音。
工事が終わり、マンホールから顔を出す。
どうも、こっちの方が穴だらけ。
でも、要請があるのは地下だけで。
お金がもらえないなら工事しない。
こっちだって生活がある。
至る所