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相手からの好意は目線でわかる

前回の「相手からの好意は声でわかる」に引き続き,見る場所で相手の好意度がわかるという趣旨の論文を読んだのでメモ(1)。

これまでの研究を見てみると,魅力的な異性であるかをを決める指標としてWHR(ウェストヒップ比率)やSWR(ショルダーウェスト比率)が挙げられ,以下のようなことが分かっています。

・男性はWHRが低い(e.g. 0.6:1)女性を好む(2
・女性はSWRが高い(e.g. 1:0.7)男性を好む(3
・男性は胸が大きい女性を好むが(4),WHRが低い女性でないと魅力度が高くならない(5

このように男女で,魅力的な異性か判断する際に頼りにする身体的な部位には違いがあることが分かっています。

今回紹介する論文は異性として,また友達として人物の魅力度を判断する際に見る場所が違うことを教えてくれます。

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2017年にカンザス大学のオムリ・ギラスらが望む関係性によって相手の見る場所が変わるのかについて調べるために実験を行いました。

実験の対象となったのは大学生109名でした。

実験参加者は2つの条件のもと,それぞれ10枚の人物の全体が写った写真を見てもらい,質問に答えてもらいました。その2つの条件は,それぞれ割り当てられた関係性になれるかどうか以下のとうな違いがありました。

<グループ1>
友達として評価する

<グループ2>
異性として評価する

またその評価の時に実験参加者の眼球運動を測定し,身体のどの部分をよく見ていたのかを比較しました。

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実験の結果,友達として魅力度評価をする際には相手の足元を見るのに対し,異性として魅力度評価をする際には相手の顔や胸元を見る傾向があった。

またその視線がその場所に滞在する時間が長くなる傾向も見られました。そしてパートナーがいない人ほどパートナーがいる人と比較して注視する時間が長くなりました。

先行研究では相手と対峙したときに身体のよく見る箇所として顔が最もよく見られる傾向にあり(6),男性に特化した特徴として女性の胸や腰に目が行く傾向があるという研究結果が出ています(7)。

今回の結果は今まで特定の身体の部分(e.g. 顔)を見る傾向がある事実に加えて,相手との関係性によって見る場所が変わることを示唆しています。

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(1)Gillath, O., Bahns, A. J., & Burghart, H. A. (2017). Eye Movements When Looking at Potential Friends and Romantic Partners. Archives of sexual behavior, 46(8), 2313–2325. 

(2)Singh, D., Dixson, B. J., Jessop, T. S., Morgan, B., & Dixson, A. F. (2010). Crosscultural consensus for waisthip ratio and women's attractiveness.Evolution and Human Behavior, 31, 176-181.

(3)Shoup, M. L., & Gallup, G. G., Jr. (2008). Men’s faces convey information about bodies and their behavior: What you see is what you get. Evolutionary Psychology, 6, 469–479.

(4)Voracek, M., & Fisher, M. L. (2006). Success is all in the measures: Androgenousness, curvaceousness, and starring frequencies in adult media actresses. Archives of Sexual Behavior, 35, 297-304.

(5)Brooks, R. C., Shelly, J. P., Jordan, L. A., Dixson, B. J. (2015). The multivariate evolution of female body shape in an artificial digital ecosystem. Evolution and Human Behavior, 36, 351-358.

(6)Hewig, J., Trippe, R. H., Hecht, H., Straube, T., & Miltner, W. H. (2008). Gender differences forspecific body regions when looking at men and women. Journal of Nonverbal Behavior,32, 67-78.

(7)Dixson, B. J., Vasey, P. L., Sagata, K., Sibanda, N., Linklater, W. L., & Dixson, A. F. (2011b).Men's preferences for women's breast morphology in New Zealand, Samoa, and PapuaNew Guinea. Archives of Sexual Behavior, 40, 1271-1279.

■美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学/越智 啓太 (著)

■美しさと魅力の心理/三浦佳世 (著), 河原純一郎 (著)

■第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?/アレクサンダー・トドロフ (著), 作田 由衣子 (監修), 中里 京子 (翻訳)

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