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20歳の独立日記

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就職率99%の専門学校で就職せずに、フリーランスデザイナーとして独立した20歳の毎日。嬉しかったことも、悲しかったことも全部書きます。
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#エッセイ

20歳の独立日記〜46日目〜

6月25日(月曜日) 「朝だよぅ〜起きてぇ〜!」もうすぐ4歳になる妹が、僕の部屋をがばっと開けてどたどたと入って来る。朝は8時。眠い。だから僕はまぶたを閉じてウンウン唸る。わかったよと。 妹はそれが気にくわないのか、首をばちばち叩いてくる。それでも僕は身体を起こさたかった。妹は諦めたのか、リビングへと戻る。 「ママ、にぃにがね!起きないの!」とってもプンプンしている。小さいママみたいで可愛いなぁと思いながら、よっこらしょとメガネをかけた。 7月3日で4歳になる。誕生日

20歳の独立日記〜47日目〜

6月26日(火曜日) 家から徒歩2分。古い喫茶店がある。少なくとも僕が物心ついたときにはあったから、15年はあると思う。そこに今日初めて行った。 理由は2つ。茨城県に住む前に行ってみたかったから。祖母から"引越し祝い金"の臨時収入があったから。 ビーフカレーを食べた。700円。 見たまんまの普通の味、普通のカレー。そしてサラダ。カレースプーンにちょうど良い大きさの器。普通って良いなぁと思う。 地震もあったし、児童虐待のニュースもあるし、政治は大変だし、地元の友達は結

20歳の独立日記〜48日目〜

6月27日(水曜日) あなたと一緒にいたい。あなたと食べたい。人はいろんなことを共有したい。 コルクの佐渡島さんは出版する(publish)の語源は公の場という意味の(public)に由来すると言っていた。 コピーライターやライターに求められるのは、自分の頭の中にある思考、ぷかぷか浮かんでいる感情を言語化してパブリックなものにすること。 バンドやアーティストもそう。 ライブハウスをどれだけパブリックな場所にしていくのか。僕の思う、良いライブは「届いている」こと。演者

20歳の独立日記〜49日目〜

6月28日(木曜日) 午前中に仕事を終わらせて、近くの喫茶店に向かう。写真は散歩の途中に見つけた公園。なぜか写真を撮っていた。 マンションの中にある小さな公園が好きで、なぜか、見てしまう。そこに声が聞こえるような気がする。昔住んでいた家の近くにも、最低限の遊具だけがある公園があった。母とよくボール遊びをした思い出がうっすら残っている。 母は1週間のうち、6日間働いていた。だから遊べるのは日曜日の1日だけだった。お昼まで寝ている母を起こすこともせず、僕は一人、笑ってい

20歳の独立日記〜50日目〜

6月29日(金曜日) 荷造りが終わって部屋はすっかり寂しくなった。好きなものに囲まれていた城は、ダンボール2つにまで減った。 部屋を片付けていると、大きな水槽が出てきた。トカゲの水槽。昔飼ってた。 「10年生きるよ!」と言われたのに、3ヶ月で固くなった。まぶたがあって、目をパチパチさせるところが可愛かった。 定番の卒業アルバム、文集。昔の僕は目つきがとても悪かった。それは目が悪いのに、メガネをかけてなかったから。僕の中学校はやんちゃな子が多くて、よく絡まれた。 お前

20歳の独立日記〜52日目〜

7月1日(日曜日) 今日は1ヶ月前から企画していたイベントの当日だった。 京都のタリキチというイベントスペースを借りて、学生向けのフリーランスの働き方についてセミナーと、ワークショップを行った。 正直人が来るか怖かったのだが、協力者2人のおかげで多くの方に来て頂いた。イベント自体もとても盛り上がった。 学ぼう、明日からできることを見つけよう、仲間を作ろうという「主体性」のある方たちが集まってくれた。 自分はライフデザインワークショップと称して、ワークショップを行った

20歳の独立日記〜54日目〜

7月3日(火曜日) 朝6時に起きた。サッカーはもう終わって、日本は負けていた。「いい試合だった」らしい。サッカーは好きだけど、わざわざ見ようとは思わない。 小学校のときからずっとそう。友達にプロサッカー選手を目指す男の子がいた。市丸くんという名前。市丸くんはすごくサッカーが上手で、三年生なのに六年生と一緒に練習をしていた。彼が所属するサッカーチームは地区大会の優勝常連だった。 練習がない日も友達とサッカーで遊んでいた。僕はそれを横目に、友達の家にイナズマイレブンのゲーム

20歳の独立日記〜57日目〜

7月6日(木曜日) デザインで損している人が多すぎる。カッコいいバンドには、かっこいいデザインが必要。 スマホで作ったやつと、デザイナーがしちんと作ったものでは印象が違いすぎる。全国流通してるようなバンドですら、視覚的に情報を伝えるということに興味がなさすぎる。 ブランディングって本当に大切。デザイナーがしっかりアウトプットのコントロールをして、バンドの雰囲気をしっかりと伝えていく。 ライブに来たことのある人には、また行きたいなと思わせること。ライブに来たことのない人

20歳の独立日記〜58日目〜

7月7日(土曜日) 七夕なのに関西は豪雨。僕の住む関東地方は晴れでした。実家のことが心配で連絡をすると、「大丈夫やで〜」とのこと。いつもと変わらないテンションで安心した。二階まで浸水して、家に閉じ込められた人もいるとニュースで見た。怖かったから、安心できた。 今日は久しぶりにオフの日。大阪での仕事は一段落してきた。自転車にも慣れて、コンビニにも地図なしでいける。だから今日は冒険をして、JR水戸駅の近くにあるBARに1人で行ってみた。友達を作りたかった。 21:00にBA

20歳の独立日記〜59日目〜

7月8日(日曜日) 好奇心が「気づき」を作り、「引き出し」の多さを作る。つまり、好奇心とはセンスなのだと思う。 情熱大陸というドキュメンタリー番組がある。毎回毎回、その道の第一線で輝くプロに密着して、その人の思考や働き方に触れる番組だ。 グラフィックデザイナーの祖父江慎さんの特集をしていたことがあった。祖父江さんは、コズフィッシュというデザイン会社の社長。意図的に本を崩した印刷をしてみたり、斜めに裁断した本を発売したりする。装丁の常識を覆すデザインが魅力。 祖父江さん

20歳の独立日記〜60日目〜

7月9日(月曜日) 今日で60日目。ほとんど2ヶ月、毎日、日記を書き続けた。自分にとって毎日同じことを続けることも、誰かに見てもらうためにライティングをすることも初めてだった。 書き始めて本当によかった。自分の頭の中のことを言語化できるし、誰かに話すときにも一度ブログで書いたことが多く、きちんと伝えることができる。 1日目のブログを見てみた。 →こちら 吉本ユータヌキさん、トミナガハルキさん、アカマツさんと出会ったことが書いてある。 この日にお会いできたお三方し

20歳の独立日記〜61日目〜

7月10日(火曜日) POPEYEという雑誌の「二十歳のとき、君は何をしていたか」という特集がある。大好きな企画だ。 第一線で活躍するクリエイターや俳優、スポーツ選手が自分の人生を振り返り、20歳のとき何をして何を考えていたのかを語る。 細野晴臣、長谷川穂積、瑛太、葛西薫に安藤サクラなど約30人以上の年代、年齢も別々の人達。 それぞれの分野で成功した人達(この言葉はあんまり好きじゃない)には、20歳の過ごし方に共通点が3つあった。 1.ブレない行動指針がある。 2.

20歳の独立日記〜62日目〜

7月11日(水曜日) 努力は要らないと思う。 力の出せることに時間を使った方がいいと思う。僕は、頑張りたいときに頑張れない人だ。「学校に毎日行くぞ!」と張り切っても、次の日の朝には布団から出れなかったり。 ダメだなだって思って、ちょっとした自己嫌悪に陥って、誰にも会いたくなくなった。母親にも責められ、先生からも責められた。そして、また、学校に行きたくなくなるというスパイラル。 頑張れること、力を出せることに全力になればいい。 自分の現状に満足できていなくても、ダ

20歳の独立日記〜64日目〜

7月13日(金曜日) 若くしてフリーランスになった人に、圧倒的に足りないものがある。それも仕事で1番大切なこと。 信頼が足りない。 個人事業主としてやっていこうと決めたときに悩むこと。仕事を始めて、バリバリ働いて、稼ぎたいのに、そもそも仕事が来ない。どうしていいのか分からない。 理由は色々ある。 ・あなたのことを知らない ・あなたが何をできるのか知らない ・実績がない 他にも色々あるが、依頼が来ないくらい初期の段階で、引っかかるのはこのくらい。 「20歳