【小説】ロックバンドが止まらない(144)
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それからも、神原たちは思い思いに会話をする。話は今日のライブから今好きな曲や、はたまた音楽とはあまり関係のない最近の出来事にまで飛んでいて、でも時折口を挟みながら会話に参加するのは、神原にとっても居心地が良かった。自分たちの打ち上げではないという気楽さもある。
でも、それは「そういえば、三人とも聞いた?」と切り出してきた平井によって、一瞬止められる。「聞いたって何が?」と訊き返した園田に反応した平井の言葉は、神原には思