これ@12/1文フリ東京39い-46

たまにオリジナルの書き物をしていきます。小説だったり報告だったり。とてつもない遅筆ですが、何卒よろしくお願いします。

これ@12/1文フリ東京39い-46

たまにオリジナルの書き物をしていきます。小説だったり報告だったり。とてつもない遅筆ですが、何卒よろしくお願いします。

マガジン

  • 【小説】ロックバンドが止まらない

    オリジナル小説です。 とあるバンドの話です。 何卒よろしくお願いします。

  • スポットライトが見えずとも~上総台高校アクター部がいる!~

    全201回にわたるオリジナル小説です。アクター部という実在しない部活のことを書きました。ポップに読めるものを目指したので、何卒よろしくお願いします。

  • 【小説】白い手

    全5回のオリジナル短編小説です。 男性身体障害者への射精介助サービスの話です。 note創作大賞2023への応募作でもあります。 何卒よろしくお願いします。

  • 【小説】本当に死ねるその日まで

    全11回のオリジナル小説です。 死ねない体質の主人公たちが活躍するお悩み解決ものです。 ジャンププラス原作大賞に応募したシナリオを小説の形に再編集しました。 何卒よろしくお願いします。

  • 【小説】30-2

    オリジナルの短編小説です。 Youtubeにオリジナルの動画を投稿している28歳が主人公です。 小さいけれど、重大な出来事が数々起こります。 何卒よろしくお願いします。

最近の記事

  • 固定された記事

12/1(日)開催の文学フリマ東京39@東京ビッグサイトに出店します。

 こんにちは。これです。  めっきり寒くなってきた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?と言いたいところなんですが、まだこれを書いている時点(11月中旬)では大分暖かいですね。駅前のスタバ等で飲んでいるコーヒーも、今はホットにしていますがまだまだ全然アイスでもいけそうなくらい。これも地球温暖化の影響なんでしょうか。まあ、私は暑いのも寒いのも苦手なので今くらいの気温が一番ありがたいんですけどね。 それはさておき、本題です。タイトル通り、私これは12/1(日)に東京ビッ

    • 【小説】ロックバンドが止まらない(123)

      前回:【小説】ロックバンドが止まらない(122) 「まさか、それを言うためにわざわざここまで来たの?」  そう言われると、今度は神原が気恥ずかしさを感じてしまう。自分の意図が見抜かれているようで、顔が赤くさえなってしまいそうだ。  だけれど、神原は笑みでごまかすことなく「まあな」と認める。自分の思惑が見透かされてしまっていたとしても、構わないと思えた。 「そっか。ありがとね。私もここに来ることで昔の気持ちを思い出せた。ベースを弾いてバンドで音を出すのが楽しくて仕方なか

      • 【小説】ロックバンドが止まらない(122)

        前回:【小説】ロックバンドが止まらない(121)  保科と別れて家に帰った神原は、具体的な手立てを考える。それでも、頭に浮かんだ方法は一つしかなく、神原は縋りつくように、その場所に電話をかけていた。  久しぶりに神原の方から連絡を入れたこともあって、電話に出た相手は驚いた様子を見せていたが、それでも予約状況を確認すると、水曜日の午前一〇時からがまだ空いているという。  それを聞いた神原は、その次に八千代に電話をかけ、さらに園田たちにも続けて電話をかけた。練習スタジオを変

        • 【小説】ロックバンドが止まらない(121)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(120)  バンド練習を終えて園田たちと別れても、この日の神原はまっすぐ駅には向かわなかった。駅と平行するように歩き、ビルの中にある楽器店に向かう。来週から始まるレコーディングに向けて、少しエフェクターを足したいと思ったためだ。  エレベーターを五階で降りると、神原は陳列されたギターやベースに軽く目を向けながら、エフェクターのコーナーに着く。ショーケースにはいくつものエフェクターが並んでいたけれど、いくら説明を読んだところで実際に試

        • 固定された記事

        12/1(日)開催の文学フリマ東京39@東京ビッグサイトに出店します。

        マガジン

        • 【小説】ロックバンドが止まらない
          123本
        • スポットライトが見えずとも~上総台高校アクター部がいる!~
          201本
        • 【小説】白い手
          5本
        • 【小説】本当に死ねるその日まで
          11本
        • 【小説】30-2
          10本
        • 【小説】sakekotoba
          6本

        記事

          【試し読み】ミュージック・マスト・ゴー・オン

          ※この投稿は文学フリマ東京39で頒布する新刊『ミュージック・マスト・ゴー・オン』の冒頭部分を掲載したものです。  気に入っていただけたり、続きが気になった方はぜひ12/1、東京ビッグサイト西3・4ホールい-46「胡麻ドレッシングは裏切らない」へとお越しください。  ライブは後半に差しかかっていた。背後からは着実ながら勢いのあるドラムが聴こえ、横からは歪んだギターに乗って、芯のある歌声が聴こえてくる。  二人の音を一番間近で聴きながら、日下潤基(くさかじゆんき)はベースを

          【試し読み】ミュージック・マスト・ゴー・オン

          【小説】ロックバンドが止まらない(120)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(119) 辿り着いた居酒屋は土曜の夜ということもあって、大勢の客で混雑していた。学生グループだろうか。無邪気に騒いで笑っている声が、今の神原には癪に障る。  予約していた席に通されると、神原たちはひとまずビールを頼んだ。でも、ビールを待っている間も四人とも何も言わず、気まずい空気は店内の無邪気な明るさとは不釣り合いだった。  そして、それはビールが運ばれてきて、四人で乾杯をしてもさほど大きな変化は見せない。口にしたビールも、神原に

          【小説】ロックバンドが止まらない(120)

          【小説】ロックバンドが止まらない(119)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(118)  神原たちが『全力で振りきって』のオープニング曲を担当することは、オープニング映像が完成した翌日に発売された月刊グローリーの誌上で、正式に発表された。ホームページでも同時に発表したから反響はそれなりにあって、平井や中美たちからも、その日のうちに連絡がきたほどだ。 「タイアップおめでとう」という言葉が素直に嬉しく、神原は頬を緩める。「まったく知らなかったんだけど」と言われても「そりゃまあ言っていなかったからな」と軽い調子で返

          【小説】ロックバンドが止まらない(119)

          【小説】ロックバンドが止まらない(118)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(117)  涼しくなり始めた季節を感じながら、バンド練習やプロモーションに取り組んでいると瞬く間に時間は過ぎ、神原が気づいたときには、ニューシングル「晩夏の情景」の発売日である水曜日を迎えていた。  とはいっても発売日を迎えても、今までの神原だったら一人でギターを練習するか、スタジオに入ってバンド練習をするかしかなかったのだが、今回は事情が違う。発売日当日に、ラジオの音楽番組の生放送に出演する予定が入っていたからだ。  今までラジ

          【小説】ロックバンドが止まらない(118)

          【小説】ロックバンドが止まらない(117)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(116)  スノーモービルの三人は、まずは神原もスプリットツアーで聴いたことがある曲を中心にライブの序盤を進めていた。それでも、耳馴染みがあるはずの曲もこの日の神原には、以前聴いたときとは少し異なって聴こえる。  きっとそれはスプリットツアーのときよりも小規模なライブハウスで演奏しているから、音の反響の仕方も違っていたのだろうけれど、三人の演奏のレベルが上がっていることも見過ごせないだろう。  由比がしっかりと地に足が着いたビート

          【小説】ロックバンドが止まらない(117)

          【小説】ロックバンドが止まらない(116)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(115)  神原がそう尋ねると、辻堂は「えっ、どうしたの、いきなり」といったんは驚いていた。ここで本当のことを打ち明けることは、いくら何でも神原のプライドが許さない。  それでも、辻堂は続けて「もしかして、神原君歌詞が書けなくて困ってるとか?」と察しの良さを見せる。図星を突かれて、神原はつい「いや、別にそういうわけじゃねぇけど」と反応したが、それでもその言葉は辻堂には、反対の意味で受け取られていそうだった。 「うーん、どうやってっ

          【小説】ロックバンドが止まらない(116)

          【小説】ロックバンドが止まらない(115)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(114)  九月に入ったその日に開催されたライブイベントへの出演も終えると、神原たちは日ごとにニューシングルをリリースする態勢を整えていく。新しいアーティスト写真の撮影やミュージックビデオの撮影に加え、取材などのプロモーションも入るようになる。  それら一つ一つを着実にこなしながら、同時進行でニューシングルのリリースを記念したワンマンライブに向けて、神原たちはバンド練習も積んでいた。  毎日何かしらの予定が入っていて、神原には充実

          【小説】ロックバンドが止まらない(115)

          【小説】ロックバンドが止まらない(114)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(113)  神原たちが初めての音楽フェスの出演を終えてから、一週間が経った。  初めての夏の屋外でのライブは、猛烈な暑さは想像以上だったものの、それでも終盤の観客の反応からして、神原たちには成功と言いたくなるようなものだった。  出番を終えて東京に戻ってきて、四人で呑んだビールの味を神原は未だに覚えている。今までとはまた違った味わい深さがあって、これが音楽フェスに出演することなのかと、神原はしみじみと感じていた。  それでも、神

          【小説】ロックバンドが止まらない(114)

          【小説】ロックバンドが止まらない(113)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(112)  神原たちが機材車から降りると、東の空に浮かぶ太陽が熱烈な日差しを浴びせかけてきた。まだ午前一〇時を回らない段階から、ただ立っているだけで汗をかいてしまいそうなほど暑く、昼間にはどれだけ気温が上がっているのだろうかと思うと、神原は途方もない思いさえ抱いてしまう。  風がほとんど吹いていないなかでも、かすかに潮の香りが漂ってくるのは、ここが海岸から歩いて数分とかからない場所にあるからか。  遠目には、今日のために建てられた

          【小説】ロックバンドが止まらない(113)

          【小説】ロックバンドが止まらない(112)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(111) 「いや、お前なんで来てんだよ」 「えっ、瀬奈ちゃん、私が行くこと神原君に言ってなかったの?」 「あっ、そういえば言いそびれてた」 「何それ酷いー。まあ別にいいんだけど」  平井は頬を緩めていた。「ここ座っていい?」と訊かれれば、神原も拒絶するわけにはいかない。平井は神原たちのテーブルに座ると、やってきた店員に生ビールの中ジョッキを頼んでいた。  ビールが届く前に少し話した限りでは、やはり平井はここに来る前に、夕食を

          【小説】ロックバンドが止まらない(112)

          【小説】ロックバンドが止まらない(111)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(110)  突然知らされたショートランチの武道館公演に神原が悶々とした気持ちを抱えていても、スタジオでバンド練習をしていると時間はあっという間に過ぎ、ワンマンライブ当日を迎えていた。  朝目を覚ましても、正直なところ神原の気分はあまり良いとは言えなかった。ワンマンライブに意気込んでいる部分は確かにあるものの、それでもショートランチに先を越されたという思いは棘のように刺さって、神原の心からは未だに抜けてはいなかった。  家を出る前に

          【小説】ロックバンドが止まらない(111)

          【小説】ロックバンドが止まらない(110)

          前回:【小説】ロックバンドが止まらない(109)  マスタリング作業が終わった「メイクドラマ」の音源が神原たちのもとに届いたのは、ニューシングル「口づけしたい」の発売を三日後に控えた日のことだった。  何回か聴いてみても、しっかりとイメージした通りの音源になっていて、神原は早くも感慨に包まれる。微調整が必要な個所すら見当たらないほどだ。  それは園田たちも同じようだったようで、全員からの承認を受けて、八千代から完成した「メイクドラマ」の音源が六平や光本のもとに送られる。

          【小説】ロックバンドが止まらない(110)