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 就職活動をしていたとき、死ぬほど自己分析をしていた。履歴書やエントリーシート、企業に出す提出書類の中にある項目で、『あなたの長所は何ですか?』と聞かれたとき、自分のことを自己肯定できない上に、自己否定ばかりする自分は答えに困った。  根っからのネガティブだったから。  それほど自分のことを愛しているんでしょ?と当時死ぬほど言われていたけど、死ぬほど嫌いだった。そうでなければ、人と会う回数が少ないこともなかったし、もっと就職活動も上手くいっていた気がする。  この時に絞り出し

    • 後編『うちからしかみえない』

      ~前回までのあらすじ~ ぼっちで、オタクで、こじらせまくった人がマキシマムザホルモンのライヴの抽選に当たってしまい、16年越しのライヴへ足を運ぶことに。 普段からフェスやワンマンライヴに行き慣れている腹ペコ(マキシマムザホルモンのファンの俗称)と違って、今回初のライヴ参戦となって生きて帰って来れるのか!? (とりあえず、実家に買っていたCDがあるから聴き直そう…) 音源を聴いては曲解説を読んで、【予襲復襲】の漫画やインタビュー記事を読んでは、Deka Vs Deka 〜

      • 普通じゃない。

        (以下の文章は自分語りが多く含まれます。個人の話にそもそも興味がない方は読むことをやめることをオススメします) 正確に覚えていませんが、16年以上前の高校生~大学生時代に遡ります。 当時は、カラオケで家族がいる前で「恋のメガラバ」、 友達の前で「ぶっ生き返す!!」を歌ったりして、 ドン引きされていました。 自分の好きな曲を歌って何が悪いんだと思っていました。 空気が読めないというのもありましたが、この時代から自分を曲げない正直な生き方をしていたのだなと今振り返って思い

        • 空白を読む。

           ブチンっと何かが切れる音がした。  それは気のせいだったかもしれない。でもそんな気がした。  その日は実家の家族と会う予定で、母親に地元の駅まで車で迎えに来て貰うように伝えていて。バタバタしていたせいか電車の中で居眠りしてしまった。そして、地元の駅を降りて車に向かおうとして、電車のドアがぷしゅーっと閉まる。 「あっ」  口に出したのをよく覚えている。何故なら、スマホがズボンのポケットに入っていなかったからだ。  あーあ……  すぐに迎えに来てもらった母親の車の元

          ポエトリースラムジャパン2019    ~誰の目で見ても、誰の耳で聞いても~

          あなたは RHYMESTER というアーティストを知っていますか?  彼らは自身を”キングオブステージ”と称し、活動30年を迎えたベテランのHIPHOPグループですが、注目すべきは自称しているだけではなく現場で見た人はそれを皆が認める点です。  では何故、キングオブステージと認められているのか?  もちろん、メンバー全員のステージングが上手いのは当然ですがそこにはもっと根本的な理由があるはず。何故ならそのステージを見に来るのは様々な人がいるからです。  HIPHOPを

          ポエトリースラムジャパン2019    ~誰の目で見ても、誰の耳で聞いても~

          TheSkilled - ZAREX Remixを通じて押韻を知ってほしい。

          HipHopアーティストである餓鬼レンジャーの2019年04月03日発売の「ティンカーベル 〜ネバーランドの妖精たち〜」が発表されてからというものの、アルバムの中の1曲「The Skilled (feat. LITTLE & FORK)」が原曲であるRemixの流れが「The Skilled IB remix (玉露.KIT.TSUBOI)」をきっかけに生まれています。 ネットでもこの流れをまとめている方もいまして、 HIPHOP 餓鬼レンジャー LITTLE&FORK『

          TheSkilled - ZAREX Remixを通じて押韻を知ってほしい。

          ひとに、あいたい。

          2018年 10月13日、大阪の十三にあるシアターセブンでポエトリースラムジャパン2018大阪大会が開催されました。その日、代表の村田活彦さんからのお願いで、自分は司会をお手伝いすることに。そして、これがひとつのきっかけでした。 ポエトリースラムジャパンとは? ステージ上で見せる3分間の言葉のみを使ったパフォーマンス。それだけ聞くともしかしたら、眠たい時間を想像している人がいるかもしれません。ただ、現場でステージでのパフォーマンスを見てきた自分にとってそれは程遠いものです

          ひとに、あいたい。