普通じゃない。

(以下の文章は自分語りが多く含まれます。個人の話にそもそも興味がない方は読むことをやめることをオススメします)

正確に覚えていませんが、16年以上前の高校生~大学生時代に遡ります。
当時は、カラオケで家族がいる前で「恋のメガラバ」、



友達の前で「ぶっ生き返す!!」を歌ったりして、

ドン引きされていました。


自分の好きな曲を歌って何が悪いんだと思っていました。
空気が読めないというのもありましたが、この時代から自分を曲げない正直な生き方をしていたのだなと今振り返って思います。

今と違うのは、音源を集めたり、カラオケで歌うだけで、ライヴを見に行くという発想がこの時の自分にはありませんでした。何故なら、オタクかつ、ぼっちかつ、どうしようもない人間だったから。

大学に行っているという世間体を保ちながら実際には京都で借りた部屋の中に引きこもっていました。

そんなある日、大学関係でアンダーグラウンドのライヴに誘われる機会があって、そこから少しづつ色んなライヴに遊びに行く機会が増えました。純粋にお客として。一人のオタクとして。

ライヴを生で見るということ。
その魅力にどっぷり浸かっていったのですが、それでも根が陰キャなのか自分から積極的に行こうという形にはならず、”誘われたら行く”ぐらいのスタンスで引きこもっていました。

当時、大学でも文芸学科だった自分は引きこもりに拍車がかかっていて、自分が嫌いで嫌いで仕方がなかった時期がありました。
鏡を見ては嘔吐を繰り返して、胃袋がひっくり返りはらわたが熱くなるような感覚を今でも忘れていません。

つらくてつらくて仕方がなかった。

こんなことを言うと、当時は精神病への理解が今より悪くて。

”何を甘えちゃってるの??”

という周囲からの態度や対応が自分を更に追い込んでいました。
生きることがこんなにもつらい。

そんな時、変わらず好きだったマキシマムザホルモンが新譜を出しました。
それが、

グレイテスト・ザ・ヒッツ 2011〜2011



もうマキシマムザホルモンを知っている方ならご存じかもしれません。
このアルバムに収録されている、

鬱くしき人々のうた


当時の自分にとってこれほど一緒に肩を組んでくれる曲はありませんでした。「頑張れ」という無責任な、生きることを強要するという曲じゃなかった。ひねくれ者の自分はこれほど自分に寄り添ってくれた曲はありませんでした。
当時はこのMVもなく、歌詞カードを食らいつくように見ていました。
最後のダイスケはんパートの、
世界中の誰もが病んでるわけではねえけど誰かは今日もうずくまってる。そして内緒で「明日がラスト」と這いつくばって抜け出そうと生きてる。いつだって癒しなんぞなくともリングに上がりゴング鳴るの待ってろ。鬱くしき人々よ「0.5生懸命」にて勝て!
は今でもほろっと涙がこぼれます。

そこからまた年月は経ち、

新たなアルバムが発表されました。

予襲復讐

マキシマムザホルモンに対して絶大な好意は持っていましたが、このアルバムで完全に腹ペコ(ホルモンファンの総称となってしまいました。マキシマムザ亮君のエゴが丸出しになったことで、本当に勝手ながら距離が近く感じてしまいました。
と言っているなら、ライヴを観に行くべきではないかと思った方もいるかもしれません。

一人のオタクが、
一人の引きこもりが、
一人のどうしようもない人間がライヴへ行くには勇気もなければ、一緒に行くであろう友達もいなければ、お金もなかった訳です。

そして、更に時は経ち、学生時代を抜け出し、社会人になった自分は人としての内側である人間性だけは変わらず、自分が好きなアーティストを隠しながら世を忍ぶように生きていました。一般人を装うように。

そんな中、体力も経済力もついてきた頃。ようやくマキシマムザホルモンへのライヴに足を運びたいという気持ちが湧いてきた頃には、仕事のスケジュールとライヴ日程がまず合わないことに気付きました。
本当に神様がライヴを観てはいけないとでも言っているかのように何年も、何年も、合わない。

その時間を埋めるように、ぼっちなので一人でマキシマムザホルモンの「Deka Vs Deka 〜デカ対デカ〜」(入っているゲームをクリアーしてパスワードを入手しないと見れない映像作品)をプレイしては最後までいけない日々を3年ぐらい過ごしていました。

そこから更に、時が経って、コロナ禍が訪れライヴが全面的に無くなってしまう状態になり、絶望感が増していくばかり。もう一生観れないんじゃないかと内心諦めている気持ちもありました。

スケジュールがそもそも合わない。そしてスケジュールがあったとしてもチケットの抽選が当たらないと観に行けない。フェスでも観れるかもしれませんが、自分はマキシマムザホルモンが観たいんだ、っと。

そして2023年、お盆返上で働いていて。上司からも「お盆返上で働いて貰ったし、9月にまとまった休みを取ってもいいよ」と言われた矢先。
公式からイベント情報が流れてきました。

普通絵図2023IN大阪

こんなタイミングある!!!!!!??????


もう半ば諦め気味でチケット購入しました。
当たれ!!!!!!!!という怨念のような気持ちを込めて。

そして、間が空いて、
8月24日夕方、電車の中で見たメールフォルダに、

マキシマムザホルモン”普通絵図2023IN大阪”当選のご案内


を見た瞬間に、

発狂しました。


かつての引きこもりが、16年以上好きでい続けたアーティストの、
大人気バンドのワンマンライヴの、
チケットが取れるとは思いもせず。

ずっとライヴに行き続けている腹ペコと違って、
ライヴに行くこと自体、

普通じゃない

のに。

どうしよう。

今までライヴに行っている猛者の腹ペコに揉まれながら、生き残ることが出来るのか!?

とお話ししたところで、このへんで。

前編「普通じゃない」終わり。

後編へつづく。


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