嫌われる勇気 No31 脱”縦”宣言
そのひとの存在を認め、その存在そのものに「ありがとう」と声をかける。
「あなたが始めるべきだ」と言われた青年は、「わたしが?」と戸惑う。「しかし、自分に価値があるとは思えません」と。
誰かと横の関係を築く
「自らに価値があると実感できますか?」という青年に対して、哲人はシンプルに言います、「まずは他者との間に、ひとつでもいいから横の関係を築いていくこと。そこからスタートしましょう」と。
腑に落ちない青年に、哲人は、「誰かひとりでも縦の関係を築いているとしたら、あなたは自分でも気づかないうちに、あらゆる対人関係を”縦”でとらえているのです」と言います。
確かに、上司、部下、先生、生徒、親、子、先輩、後輩、それをどう見ているか…。もう、”上”司と部”下”なんて象徴的ですよね。
釈迦は、生まれてすぐに七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言ったと伝えられています。この意味は、「天上天下にただ一人の、誰とも代わることのできない人間として、しかも何一つ加える必要もなく、このいのちのままに尊い」、まさしく、存在がそれで良いということ。
ライフスタイルの大転換
それでも上司との上下関係を例に出し、それを無視することはできないと言う青年に、哲人は、「たしかに、年長者を敬うことは大切でしょう。会社組織であれば、職責の違いは当然あります。誰とでも友達付き合いをしなさい、~といっているのではありません。~意識の上で対等であること、そして主張すべきは堂々と主張することが大切なのです」と述べます。
それは、ライフスタイルの大転換。そこを突破口にして、あらゆる対人関係が「横」になっていくというのです。
ここで思い出したのが…
これ。とか理想的ですよね。
哲人は言います。
「ここからはじめればいいのです。~この小さな書斎から。前にもいったでしょう。わたしにとってのあなたは、かけがえのない友人だと」
いいですね。哲人、いいですよ。嬉しくなっちゃう。
誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。~あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく。