サイコパス
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障害福祉事業所で働くかえるといいます。
みなさん「サイコパス」という言葉を聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
職場で、学校で、地域社会の中で、あるいは彼氏(彼女)が
「最初はすごく好印象だったのに、何でこんなに他人を傷つける言動をするのか?」
そんな人に出会った経験はないでしょうか。
もしかしたら、その人はサイコパスと言われる人かもしれません。
今回はサイコパスと言われる人にについて、「どう言った特徴があるのか」、「私が職場で出会ったサイコパス(ではないか)と思われる人にどう対処しているのか」ということについて書いてみました。
僕はサイコパスと聞くと、猟奇的な殺人を行う人というイメージでした。映画「羊たちの沈黙」に出てくる「ハンニバル」のイメージですね。
ワーママはるさんのvoicyを聴いて、サイコパスのイメージが変わりました。
サイコパスの定義
心理学者のロバートDヘア博士によるとサイコパスの定義は
①良心が異常に欠落している
②他者に冷淡(共感性がない)
③平然と嘘をつく
④行動に対する責任を取る気がない
⑤罪悪感がない
⑥自尊心が強い
⑦自己中心的
⑧口が達者で表面上とても魅力的に見える人
はるさんのvoicyをきっかけに、中野信子さんの書かれた「サイコパス」という本を読んでみました。
本書ではなぜサイコパスがそのような行動をとるのか脳科学の観点からの考察もされていますが、その部分の詳細は記事では割愛します。
本を読むと、サイコパス=凶悪犯罪者 というイメージがくつがえりました。
犯罪は行わないけれど、上手く他人を自分に有利なように操り、社会的地位を得ている人もたくさん存在するのです。
そんなサイコパスの人の割合は100人に1人の割合。
それなりの規模の集団であれば1人くらいいてもおかしくないという割合ですね。
サイコパスの特徴
・外見や語りが魅力的でナルシスティック
・トークやプレゼンテーションも立て板に水で 面白い
・関わった人はみな騙される
・色恋沙汰のトラブルが多い
・経歴の詐称がある
・過去に語った内容とまるで違うことを平気で言う
・矛盾を指摘されても「そんなことは言ってません」と平然と言う
どうでしょうか?
サイコパスの定義も含め全部でなくてもいくつか当てはまる人が、みなさんの周りにもいるのではないでしょうか?
職場のサイコパスな人
実際に私が出会った「サイコパスではないか」と思われる人の特徴は
・ほとんどの方は初対面は好印象を持つ
・たまにしか会わない人は絶大な信頼を寄せている
・言葉は流暢に出てくるので、仕事ができる人と思われる。実際にある特定のことに関しては出来たりする
しかし、同じ部署でいつも会う人の印象は上記とガラリと変わります。
・「相手の気持ちを考えて」と言っている割には、言動は自己中心的である
・チームワークが大事と言っているが、「そのチームワークが達成されることで得をするのはその人だけである
・平然と嘘をつく
・自分の意見が正しいと思ってる
・ちょっとしたことで、怒りやすい
(爆弾で言うところの導火線がない)
・相手のことを怒鳴り散らしていたにもかかわらず、別の日には何事もなかったかのように、その人と会話できる(これで、「あれっやっぱり案外いい人かも」とそのギャップに騙される人もいる。相手を乗せるのが上手い人もいるので騙されてはいけません。)
・色々な意見を言うが、自分が動いて最終責任を背負う行動はしない
どんな影響があるか?
組織であれば、チームワークが崩壊します。本人の与えてる影響が1番大きいのですが、本人は他の人たちが使えないから(仕事ができない・コミュニケーションが下手)チームワークが悪いと思っていたりします。
その人を中心に人間関係が崩れ、同僚・後輩はいいように使われて精神的にまいります。上司であれば、3つのパターンがあると思います。
1つは自分自身に対して理不尽な怒り、要求を迫られその対応に苦慮する。
2つ目は、本人と後輩や同僚のトラブルに対して対応を図らなければならなくなる。
そして3つ目はその両方を、求められることもあると思います。
そうなってくると、精神的負担がとても大きくなり、ゆっくり休むことも出来ず、仕事に行くことがとても辛い状況になります。
どう対応しているか?
サイコパスの人への対応は、こうしたら上手くいくというものは確立されてないようです。
なので、とにかくその人と「距離をとれ(転職しろ)」ということが言われます。自分の精神が参ってしまいそうであれば、転職を進められます。
しかし、そう簡単に転職できない状況の人はどうしたら良いでしょうか?
以下は私自身が行っていたり、こういう対応をしたらいいのではないかと思っていることです。
(あくまでも、私が経験したケースなので別のケースでは、当てはまらないこともあると思います。)
その人以上に知識を持っておく
それらの知識をアンガーマネジメントや良好な人間関係構築に関することを学んで(コーチングや行動分析など)相手に対して実践します。
上手くいかないこともあると思いますし、上手く言っても、「また元に戻り、また伝える」の繰り返しかもしれませんが、周りが何もしないよりははるかにいいです。
ルールを基に伝える
労働基準法や就業規則など明確な基準のあるものを示して伝える。その言動は「パワハラにあたる」など、何となくの暗黙のルールではない基準を示して伝えると良いと思います(パワハラは部下から上司へのパワハラもあります)。
いちいちへこまない
いちいちへこまない。一時的にへこむことはあっても、長い時間反応しないように意識する(練習する)。
結構難しいです…。わかっていても考えてしまって休日でも、いつのまにか時間を取られてしまうこともあります。でも、「そんなことに時間を使っていては、もったいありません。」
反面教師にして学びに変える
困っている当事者の人であるほど、学びの効果は大きいです。ここぞとばかりに、対人関係や法制度に関して学んでいくと良いと思います。それは自分自身を成長させ、後々の人生で必ず自分を助けてくれると思います。
口頭でなく手紙で伝える
本人に非があることを伝えようとすると、極端に防御壁を張って人の話を聴こうとしないタイプの人もいます。
ひどいサイコパスでもう手がつけられない場合は別ですが、言動の改善だけでも多少の効果が期待できそうであれば、手紙などの文章の方が伝わりやすいこともあります。
ただ、相手への非難的な内容ではなく、考えてもらい、気づいてもらえる内容の方がよいと思います。
まとめ
サイコパスの人に対する効果的な接し方は確立されていないので、個別のケースによって本人に合わせた対応をするしかないというのが現状です。
しかし、サイコパスという知識を知っていることで、自分や周りの人が出来るだけ精神的被害にあわない対処を考えることはできるはずです。
確実に言えることは、1人で対応することは難しいです。職場であれば組織的な対応が必要になります(サイコパスの人の退職も含め)。
それでも解決が難しい場合は、ご自身が転職するなど、その人とは距離をとったほうがよいと思います。転職先で幸せな人生を再開された人もおられるようなので。
自分が精神的負担が大きくなり、体調を崩すことは避けたいですね。