「スケアクロウ」で思い出したこと、映画は心に何かを染み込ませる
クエストリーが主催している「ブランディングクラブ」の来週5日(木)の「オンラインサロン」のテーマは、「映画を語ろう〜映画にはたくさんの学びが詰まっている」。主催者の個人的な好みに沿ったテーマ設定です。
実際に映画からたくさんのことを学びました。でもね、「どんなことを学んだの?」と問われると、いろいろとしか言い答えようがない。それでも何かあったときに、「あの映画ではこうだったなあ」といった感じで浮かんできます。
そんなことを考えていたときに、思い出した映画は「スケアクロウ」です。 1973年の公開ですから、学生時代に観ました。社会や政治に対する反体制的なメッセージが込められたアメリカン・ニューシネマを代表する一作です。
スケアクロウとは「案山子」のこと。見かけはそれなりだけど、ただ突っ立っているだけで、世の中に順応できないという意味が込められているような気がします。一種のロードムービーですが、ストーリーは結構重たい。
主役は「ジーン・ハックマン」と「アル・パチーノ」、どちらも大好きな役者です。前年には、40代の半ばのハックマンは「フレンチ・コネクション」を、30代半ばのパチーノも「ゴッドファーザー 」を撮っています。
二人とも油の乗り切った時期だけに素晴らしい演技をしています。とくにジーン・ハックマンが秀抜です。おそらく二人ともかなりアドリブに近い、自然なノリで演じていると思います。それが許されたんだろうなあ。
二人の出会いのシーンがいいのです(上記のYouTubeで観てください)。最初はライオン(パチーノ)を毛嫌いしているマックス(ハックマン)ですが、最後にはライオンの存在がなくてはならないものになっていきます。
まったくタイプの違う二人が、絵のないジグゾーパズルのピースを合わせるように、反発しながらも、少しずつ近づき、心を通わせていく。20歳頃の僕のなかに、何かが染み込まないわけはないね。映画ってそういうものです。