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迷子

街ですれ違った、優しくも鋭く私に刺さる残り香を辿る。

その匂いに導かれるように振り返り、必死にあなたを探したけれど、
あなたはどこにもいなかった。

匂いの記憶は怖いもの。

今はこうして忘れているのに、
一瞬にして、あの日の私を連れてきてしまうから。

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