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記事一覧
ジョン・レノン(定型) 川柳101句
夏の庭ひとつの孟母ものがたり
物語論にふたたび雪融けて
ひとめみて法然様とわからない
つまようじばらばらとなる竹雄の死
人の世に往復があるカドミウム
唐紙に犯人を書くマリオの血
張型のわれるまで買うおかひじき
ひじき買うとき未完なる新宿区
さげまんの転生しない板橋区
レーヨンの正拳突かれ冬の朝
みそしるをうばわれてゆく河馬のまち
カーキチがかんがえている檸檬の図
しめなわの
DAVID BOWIE(路上) 川柳80句
Ⅰ.おとこのこ(壱) 八句
秋の田にゆらゆらつづく男子会
男子力発電所にて曲がる髷
翻車魚の男子時計のねじまかず
蜜蠟がこの手をこぼれ男子展
秋ひでり男子心母の停まりけり
男子屋の松浦亜弥にまた瀰漫
秋暑し男子師匠の舌融ける
きりすとを隠したままの男子街
Ⅱ.くの一、そのほかの 三十二句
くの一の作話なされる家庭内
刷毛で塗るふたつの鈴鹿サーキット
ぷよぷよをあきらめ
愛の時代(フラジャイル) 川柳112句
Left:意味ながら 五十六句
図と地から編年体の悪あがき
拳銃の町にねそべる山田くん
肝吸いの言うべきことがよくわかる
拘置所に和歌山県の梁ばかり
朝夕焼ただの短詩をよむユング
そしられて耳かきを折る蕪村論
海溝ににどと読まないドラえもん
大車輪畑正憲の大びんた
この世へとへその緒にぎるセレブたち
冷暗の県歌ばかりのもろきゅうり
中央に鹿の料理がわきあがる
都市大にビ
遠い太鼓(ビートニク) 川柳111句
Ⅰ.堕菓子屋のはつなつ 三十七句
サッちゃんの気象衛星おちて朝
距離という距離をあつめてレバ炒め
ドストエフスキーの空母たまごうむ
死角から反小説のたこ浴びる
ワッフルを感じられないすみだ川
献血にドレスコードという略語
略語家の部屋のヨブ記を読みかえす
にんじん家総体として朝に撃つ
堕菓子屋のカーペンターズ立ちあがる
河馬の死にむけてだれもがディカプリオ
丸美屋のホッケ
アイアン・クロー(父の掌) 川柳108句
Ⅰ.白鳥の演歌 二十四句
B作をえいえんに撲つギムナジウム
白鳥をNHKが煮て世界
ただの苦をミネソタ州とかえてゆく
天人がかぼす潰している校歌
白痴美のしょう油壜よりしょう油洩れ
老ゆる苦をベスト電機に貼りあわせ
後漢書をわすれつつある老ゆる楽
狂人の毬藻のほかになにもなし
もやしから関所破りのひげ根抜く
周作が或るモノリスと章魚をみる
苦の世界揚がるフレンチクルーラー