〔創作〕ポンのはろうぃん〜鴨鍋ハロウィン企画参加します〜
ある9月のこと。
「人間の世界には、ハロウィンってのがあるみたいよ。」
朝ごはんを食べているとき、ポンのかあちゃんが、思い出したように、そういった。
「何それ?おいしいの?」
「子どもには、お菓子がもらえるんだって。」
「えーー!はろうぃん、食・べ・る!」
子ダヌキのポンの頭の中は、お菓子でいっぱいのよう。
ポンは人間に化けられるようになったばかり。かあちゃんが、ハロウィンは10月いついつだの、どんなものだのと、話し続けているのに、全く聞いていないみたい。
「人間の食べてるお菓子、おいしいんだよね!お菓子、いっぱい食べたい…」
今夜はお月見の日。
夕方、ポンがうちに帰ろうとしていたら、
「お月見くださーい。」
「お月見どろぼうです!」
たくさんの子どもたちの声がする。ポンが草むらからそっとのぞくと、とあるお家の前で、子どもたちが、お菓子をもらっていた。
「はろうぃんだ!」とポンは思って、慌てて人間に化けると、駆け出した。
「はい、あなたにも。」
ポン、無事にお菓子をもらえたようだ。あれ、ポン、しっぽが出たままだよ…
それからも、子どもたちとポンは、家々を訪ね歩く。
「お月見どろぼうです!」「お月見くださーい。」
あっという間に、お菓子は山盛り。ポンは袋がないから、持ちきれない。どうするの?あっ、食べちゃった。あれ、ポン、おひげも出てきたよ…
お団子をくれるお家もある。お団子は、ポンの大好物。やっぱり、その場でむしゃむしゃむしゃ。ポン、耳まで戻ってる…
ひとりの子どもがまじまじとポンのしっぽを見てるけど、ポンは全然気がつかない。
しばらくしたら、子どもたちは、抱えきれないくらいのお菓子と一緒に、それぞれ、お家へ帰って行った。
ポンが持ってるお菓子はひとつだけ。あとは全部食べちゃった。
「お月さま、これ、かあちゃんにあげるんだ。」
お菓子を掲げて、誇らしげに、ポンはいう。
心配したポンかあちゃん、あちこち、ポンを探してた。ようやく会えて、一安心。
冷や冷やしながら、一部始終を見ていたのは、お月さま。ポン親子の背を明るく照らし、ささやいた。
「ハッピー、はろうぃん!」
その後、やってきた本当のハロウィン。ポンはタヌキの仮装で、参加した。それなら、しっぽもひげも耳も、出ていていいね。
「トリックオアトリート!」
おーしまい🎃
🎃鴨鍋ハロウィン企画🎃
仮装してということなので、化かそうで、一気にかきました。これでいいのだろうか…ちょっと思いますが、まぁ、とにかく、参加できて大満足です。ありがとうございました。よろしくお願いいたします!
今夜は、中秋の名月🌕
お月見どろぼう🎑の日。
みなさま、よいお月見を✨
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