ぐんぐんと
「順調過ぎるなぁ。いや、今までが順調じゃ、なさ過ぎたのかも。」
息子が笑顔で言う。
通信制高校に、この春から通い始めた。高校生活が始まって、そろそろ1ヶ月になる。週2日で通うペースが、今の息子にはちょうどいいようだ。
学校に行く日は、うちを8時前に出発、帰りは14時を過ぎる。自転車、電車を乗り継ぎ、歩きも含めて、1時間ほどの通学時間。授業は3限。帰ってくると、さすがにぐったりとしている。
お弁当は、学校では少ししか食べられない。うちに帰ってきて、残りを食べている。緊張するんだろうなぁ。昼寝をし、翌日もまだ疲れているから、ゆっくりとする。
2日経ったら、本調子に戻る。そうしたら、また、学校へ行く。合間に、レポート課題もやっているようだし、いつもどおりに過ごせてもいる。
休日に、サッカーにも参加できた。息子は、社会人サッカーチームに所属している。ユニフォームが届いて、やる気もアップ。日々の自主練と筋トレのおかげで、ずいぶんと体力もついたようだ。年上のチームメイトさんから、アドバイスをもらうのもうれしいらしい。
おしゃべりな息子。高校の話をしゃべり続ける。小学校時代に戻ったようだ。わたしは会ったことがない、息子の友人たちの姿が目に浮かぶ。先生たちの様子も。とにかく、楽しそうで、何よりだ。
起こさずとも起きてきて、車で送らずとも、自転車で出かけてゆく。
そういう時期がやってきた、というだけなのだろうが、内心は驚きばかりだ。息子が寝てから、夫と娘に報告しては、こっそり驚き合っている。
それでも、家族そろって、すまして、いつもどおりにしている。わたしだけでなく、夫も娘も、そう、したいみたいだ。
勢いに乗り、息子は眼鏡をコンタクトに変えた。大股で、ぐんぐんと進んでいく。
コンタクトのはなし
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