【量子力学5】物理量と量子操作①【運動量と波動関数】
量子力学は,非実在論に根ざした理論で,抽象的なヒルベルト空間上で状態を記述しなければならないわけです.それでは私たちの住むこの時空間での運動といった概念はどこへ行ってしまったのでしょうか?
私たちが物理的な系の運動を調べるとき,系から出てくる何らかの物理量を観測するか,もしくは系に何かを入力して出力を観測するか,どちらかです.系に何かを入力して観測をするような場合は,状態を操作することで所望の情報を取り出すといった芸当もでき,より多くの情報を引き出すことができます.いずれに