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凡人は、広背筋に対する理解を深めて発達させよう②

前回の記事の続きです。

いや、続いているのかどうかといわれたら、続いてないかもしれませんが。。。笑

広背筋自体は、どの人にもついている筋肉なのですが、見る視点によって、どんな筋肉なのか、持つイメージが変わってきます。

例えば

・見た目的には、逆三角形を形作るのに鍛えたい筋肉の一つ

・スポーツや動作的には、引く力の主力として使える様になりたい筋肉の一つ

・骨盤の前傾が強く、治したい人にとっては、緩めたい筋肉の一つ

・肩の屈曲や外転制限がある人にとっても、緩めたい筋肉の一つ

・腰の張りがある人にとっても、緩めたい筋肉の一つ

・コンディショニング業界では、どちらかというと、まず抑制すべきだよねと言われる筋肉の一つ

皆さんは広背筋に対して、どのようなイメージを持って見ているでしょうか?

ピラティスインストラクターが持つ広背筋のイメージ、
ボディビルダーが持つ広背筋のイメージ、
腰痛の人が持つ広背筋のイメージ、
治療家の人がもつ広背筋のイメージ、

同じ筋肉でありながら、自分の置かれている立場や知見によってそのイメージは変わると思います。

このイメージを少しでも広げられると発達のチャンスに恵まれるかもしれません。

例えば、逆三角形を目指して引きまくっているのに、発達しない凡人が、肩の屈曲制限があったり、腰の張りがあったとして、広背筋がその問題を構成する要素の一つだということを知らないまま、ただ「逆三角形」をつくる筋肉という視点しか持っていなかったら、どうでしょうか?

おそらく、そのまま引きまくってもなかなか伸びない可能性が高いかもしれません。

この凡人は、広背筋に対して「かっこいい見た目を作る筋肉」としか見ていないので、もう少し広背筋がもたらすデメリットも知ると良いのかもしれません。

広背筋に限らずですが、まずはいわゆるボディメイク的に鍛えたい筋肉があったとしたら、その筋を鍛える前に(それと並行して)、その筋が他の問題を起こす要素に関与していたら、それを取り除くことが大切だと私は思います。

例えば、広背筋は骨盤の前傾にも関与してくる筋肉ですが、骨盤の前傾が強く腰が張っています、みたいな場合は、鍛える前に姿勢維持に強く参加してしまっている可能性があるため、広背筋のコンディション改善を含めて、骨盤の前傾を改善することが大切だと思います。

そうすれば、姿勢維持筋として参加していたところに余裕ができて、引くトレーニングで広背筋を引く筋肉として迎え入れることができるのではないか?というイメージです。

正直、ここまでの↑3文は感覚的に感じていて、それを頑張って言葉にしただけなので、参考程度にしてください。

さて、広背筋の働きについての本題です。

広背筋の教科書上の作用は肩関節の伸展・内転・内旋です。

なので、引くと鍛えられるというのは、その通りです。

しかし、同じラットプルダウンをしていても、チンニングをしていても、ローイングをしていてもなぜあんなにも差ができるのでしょうか?

みんな同じ様に引いても、広背筋に効かない人の多くは何がだめなのでしょうか?

多いのは、おそらく広背筋以外の肩関節伸展や内転筋が優位なことです。

リア、三頭筋の長頭、大円筋あたりが広背筋と比べて背中トレ時に使われてしまっているというこっちゃです。

それはなぜなのでしょうか?

この理由のひとつが、、脊柱や肩甲骨の動きのつながりを伴った肩甲上腕関節での”引く”ができていないというのが一つ大きな要因かと思います。

広背筋は、下から腸骨の後ろ〜仙骨〜腰椎〜第7胸椎〜肩甲骨下角〜上腕骨小結節、また、そこに被る肋骨についていて、とても大きいです。

これが何を意味しているかというと、別に上腕骨を動かさずとも、肩甲骨や脊柱、骨盤を動かすことで広背筋の伸び縮みをさせることは可能ということです。

教科書上は、上腕骨を動かす筋肉なのに、、、

先ほどあげた、他の背中トレーニング時に優位になりやすい筋は上腕骨を動かす筋肉として活躍します。

広背筋を鍛えたい場合は肩甲骨〜脊椎の可動やコントロールで左右されます。

そのため、まずはその認識をつけていくのがおすすめです。

その具体的な認識とはなんでしょうか?

上腕骨が肩甲骨に近づく様に引く ❌ (その他の肩後部が優位)

肩甲骨が骨盤に近づくように引く ⭕️ (広背筋が優位)

まずは、この認識が大切かとおもいます。

この認識をした後、認識したところで、できないものはできないので、自身のコンディショニングで肩甲骨が骨盤に近づきやすい身体環境をつくりだすのがおすすめです。

現状優位になってしまっている肩後部筋達は優先的にセルフリリース

脊椎の伸展・側屈・回旋・屈曲エクササイズは満遍なく練習

肩甲胸郭関節のモビリティ&コントロール 特に後傾・外旋・下制・内転

肩関節・股関節の分離させての可動 

ヒップヒンジの習得

あたりをやっておけばわりと良いかんじになるかとおもいます。

また、教科書上以外で私にとって参考になった、広背筋についての働きや考え方の一部を以下で引用してみたいと思います

上肢を固定した場合には、肋骨に起始する線維群は胸郭を引き上げ、吸気に関与する。

機能解剖学的触診技術

吸気に関わるということがわかります

両側第11肋骨を腹側方向に愛護的に押し込むと、肩関節伸展可動域が増加し、その左右差も減少することが観察される。

これは、浮遊肋のため関節の柔軟性がより増加しており、また広背筋の起始部である第11肋骨を内方化させ、骨格としての固定性を向上させたことで、付着している広背筋の収縮効率が高まったと考える。

胸郭運動システムの再建法

下位胸郭の安定が、収縮のしやすさに関わるということが示唆できます

胸腰筋膜を伸長させる際には、広背筋を伸長させ、体幹の側屈を加えるとより伸長し効果的である。

 成田祟矢の臨床 腰痛

肩の動きだけでなく、体幹の動きが、広背筋に伸長に関わるということがわかります

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