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わたしの本棚

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#文春文庫

わたしの本棚94夜~「満月珈琲店の星詠み」

わたしの本棚94夜~「満月珈琲店の星詠み」

 「読書の秋2020」で気になっていた課題図書です。京阪沿線沿いと京都市街が小説の舞台になっており、わたしの生活圏であることもあって、手にとりました。2000年代に流行ったケータイ小説を思わせるような、改行が多く、WEBのような、さくさくと読める文章でした。

   画像はApple bookさんのを借りました。 

 あとがきを読むと、SNS世代ならではの小説。占星術好きな作者がSNSで西洋占星

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わたしの本棚88夜~「MIDNIGHT SWAN」ミッドナイトスワン

わたしの本棚88夜~「MIDNIGHT SWAN」ミッドナイトスワン

 映画と小説。映画を観たら、原作を読んでみたくなります。小説が映画化されると、映画も観たくなります。わたしのなかでは、映画と原作小説はリンクしています。ただ、全くの別物として鑑賞した方がいいとは思っています。どうしても小説を先に読むと映画に矛盾をみつけてしまいがちになるからです。この作品、去年、映画を観て、今年に入って、小説を読みました。

☆「ミッドナイトスワン」 内田英治著 文春文庫 700円

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わたしの本棚86夜~「漱石先生ぞな、もし」

わたしの本棚86夜~「漱石先生ぞな、もし」

 今月12日に亡くなられた半藤一利氏のエッセイです。「日本のいちばん長い日」は原作を読み、映画(2015年、原田真人監督)をみました。残念ながら、氏の書物で読んだのは、この2冊です。亡くなってから、その業績の大きさをテレビニュースやインターネット記事で知りました。戦前の日本に今の日本の状況が似ていると憂いていらしたそうで、自分の考えは右派の保守だと思っていたら、いつのまにか左派と言われるほど、日本

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わたしの本棚74夜~「マチネの終わりに」

わたしの本棚74夜~「マチネの終わりに」

 西谷弘監督、福山雅治主演で映画にもなりましたが、小説の方が余韻があって好きです。映画は、東京、長崎、スペイン、フランス、ニューヨークなどの美しい画像が加味され、それはそれで素敵でした。世界的なギタリストとジャーナリストの恋愛であり、6年のうちに3度しか会わなかった人との恋の話でもあり、ちょっとわたしたち庶民からすると現実からかけ離れてしまいそうですが、普遍的なセリフが心地よく、美しい時間に浸って

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わたしの本棚70夜~「センセイの鞄」

わたしの本棚70夜~「センセイの鞄」

 70日になりました。もう少しがんばれそうなので、今年いっぱいは、続けてみようと思います。読んで頂いたり、スキを頂いたり、フォローしてくれたり、ありがとうございます。川上弘美氏の作品は、芥川賞受賞作「蛇を踏む」のような寓話的なものも好きですが、一番好きなのは、「センセイの鞄」です。恋人未満といったセンセイとツキコさんの関係。淡くて疲れなく、大人の男女の関係として、いいなあ、と思いました。

☆「セ

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